ベネズエラ:今、進行中のクーデターとは

  • 2019.01.28 Monday
  • 05:55

リビア、シリアの二の舞にしないことが、世界の平和活動家の責任。マスメディアが流す嘘に騙されないこと。それは軍事介入するための前奏である。


ベネズエラでクーデターが進行中:もし同じことがフランスで起きたら

(Ongoing Coup in Venezuela: What If Same Scenario Happens in France)

2019年1月26日 teleSUR(By: Romain Migus)発

Venezuela

マクロス・ペレス・ヒメネスの独裁を終わらせた61周年記念日を祝うために、政府支持集会に参加したベネズエラのニコラス・マドウーロ大統領。2019年1月23日、カラカスで。|写真:Reuters

 

この冷戦は、カリブ海の太陽の下で十分に温められた。今、介入に反対して結集することは平和運動家の責任である。

 フランスの我が指導者にいくつかの質問をしてみよう。

 中国の高官が黄色いベストにパリやフランスの主要都市で街頭デモをするように呼びかけることを想像願いたい。

 ロシアがもはやエマニュエル・マクロン大統領を承認することを止める決定をして、新しい合法的なフランスの大統領はマリーヌ・デ・ルペン、あるいはジャン・ジャック・メランションだと宣言することを想像してほしい。

 イランがフランスで放火し、破壊する武装した民兵組織に資金援助していると想像していただきたい。

 それを何と呼ぶ?マクロン大統領がどんな選択肢を持っていようと、フランス共和国の内政にそのような外国の干渉を受け入れるのだろうか?

 不適当な状況だろうか?でも、ベネスエラで実際に起きていることはこのようなことだ。

 このシナリオが宣伝されていないと言うことはできない。ニコラス・マドゥーロが宣誓する2日前の1月8日に、ベネズエラの国民議会が違法に執行権力(大統領の)を奪うために暫定法を成立させた。米国とリマグループのその同盟国は、すぐにクーデター支持の取組を支持した。

 もっと前に遡れば、国民議会がほぼ2年間裁判所を侮辱した状況であったことを思い出す。2015年の代議員の選挙の後、アマゾネス州でベネズエラ統一社会党(PSUV)の候補者が、野党が勝利のために票の買収を行ったと訴えた。その後、裁判所は不正を有罪とし、選挙権力裁判所はこれら3議席の選挙のやり直しを命じた。

 国民議会の議長は司法及び選挙当局に従うことを拒否したので、国民議会は「裁判所侮辱」と宣言された。立法権から出される決定や票決は、国民議会の議長が選挙のやり直しを認めない限り、それゆえ無効である。

 野党が167議席のうち122議席という絶対多数を握っていたことに注意すべきである。それ故この反抗的な立法議会は二重権力となる。組織的なクーデターを試みているのはこの機関なのであり、今、我々がそれを目撃している。

 

【ペンスがクーデターを呼びかける】

 1月22日、カラカスで幾つかのデモが準備されている時に、米国副大統領マイク・ペンスがベネズエラ国民に合法政府に対して蜂起するように呼びかけた。これは、野党の政治組織がほとんど合法性を持っていないので、ワシントンが、(仲介なしに)、ベネズエラ市民と軍隊にニコラス・マドウーロを打倒することを直接呼びかけなければならないことを明白に示している。米国の利益を満足させるために。

 翌日、予想通り、ファン・グアイドが違法に執行権を握るとすぐにホワイトハウスは「ベネズエラの暫定大統領として国民議会議長を公式に承認した。」ワシントンに従属する一握りのラテン・アメリカの国々が彼のベネズエラのガウライター(ナチスが占領した国の彼らの指導者に使った名前)を承認しろというトランプの命令に従った。

 二重権力の創出はなにも新しいことではない。最近では2017年にも、野党は二重最高裁(パナマに拠点)、国家検事総長のポスト(コロンビアに拠点)を作った。裁判所の侮辱状態にある国民議会が執行権力を簒奪することによって、米国、カナダとラテン・アメリカのその隷属者たちによって認められた、違法な公衆権力のデッチアゲに我々は直面している。

 これらの機関は明らかに合法的な権力とは共存できないので、間違いなくボリバルの国で暴力が急増するだろう。ワシントンが、マドウーロがすぐに発表したカラカスの外交官の帰国命令に従うことを拒否していることはこういう意味に解釈すべきである。

 このシナリオは、リビアとシリア戦争に先立った状況を示している。リビア国家暫定評議会であれ、シリア救国評議会であれ、二重政府の編成はこれらの国を爆撃するために、あるいはその国で傭兵攻撃を解放するための必須要件であった。1月23日の夜中には、武装した犯罪者のギャングたちが、あちこちへ移動し、警察と衝突しながら、カラカスの幾つかの地域を恐怖に陥れた。

 今では、組織的なクーデター攻撃の主要な機関である国民議会が、ワシントンが自身の(ベネズエラの)人民に対して課している経済制裁を承認していることを思い出さなければならない。しかもなお悪いことに、2018年1月8日には、ベネズエラ・ボリバル共和国の資産を再請求するトラストファンドの創設を承認することによって、この国の破滅の道を整備していた。

 汚職に対する闘いの背後にその意図を隠して、国民議会は自分の国の資産を凍結することを外国に許可した。これもまた、リビアで展開された戦略と同国の資産凍結を思い出させる。

 ワシントンとその同盟国は、ベネズエラで暴力を拡大するために採用された傭兵の集団を当てにすることができる。それに加えて、コロンビア・ベネズエラ国境で非常に活発に行動しているコロンビアの民兵組織もいて、11月28日にマドウーロ大統領は、フロリダのエリンAFBとコロンビアのトレマイダの軍事基地に734人の傭兵がいると報告していた。彼らの目的はベネズエラを攻撃することであり、ボリバル国家に対する軍事介入を正当化するための偽旗攻撃を準備することである。

 短期的には、我々が目撃している決着の場の結果は、不幸にも暴力でしかありえない。ニコラス・マドウーロの合法的な権力も、彼の反対派によって作られた模造品の機関も、撤退することも、すぐに対話に参加することも無いだろう。どの国でも、ファン・グアイドと重罪の議会の議員たちは刑務所に入ることになる。ベネズエラは米国による脅迫に対処しなければならない。

 

【あらゆる選択肢がテーブル上に】

 ドナルド・トランプ大統領はベネズエラに対する軍事的な選択肢は有効なままである。(あらゆる選択肢がテーブル上にある)と述べた。国務省として、「人道的援助」を送る準備をしていることはすでに発表済である。金融封鎖から同国を除外するように奮闘している、ニコラス・マドゥーロ政府は、「人道的援助」を口実として米国が上陸することを決して受け入れることはない。この挑発は、2015年10月28日に南方司令官ジョン・ケリーが口にした戦略計画の一部である。「もし依頼があれば、米国は人道的理由で介入する意志がある。」これが今、行われた。

 この緊張のエスカレーションに際して、欠けているのは戦争の冒険を正当化する起爆材である。イラク、セビリア、リビアとシリアを戦争という破壊の奈落の底に突っ込んだのはメディアの嘘だったことを思い出そう。いわゆるクウエートでのインキュベータの破壊、セルビアでのラサックの虐殺、リビアのベンガジでのデモに対する爆撃、シリアのデラアでの10台青年の拷問、これらはすべて、「人道的防衛」という名目で虐殺を正当化するために必要な前奏だった。

 

【介入を正当化するメディアの陶酔】

 国際世論は数週間以内に再び、ベネズエラに対する軍事作戦を正当化するためのメディアの陶酔作戦の犠牲者になる可能性がある。

 ベネズエラのシナリオはレバントで展開されたシナリオと似ているように見えるけれども、それでも幾つかの重要な違いがある。一方では、ベネズエラ軍は同国の憲法、その国家主権と共和国に対する支持を続けている。1月21日に、20人の兵士が武器庫から盗もうとして逮捕されたが、数万人の兵士と数十万人の予備兵はクーデターに全く興味を示していない。防衛大臣ウラジミール・パドリノ・ロペスは、ボリバル国軍は「憲法を守り、国家主権を保証する」と再確認した。

 他方で、ロシア、中国、インド、パキスタン、トルコ、イラン、南アメリカなど世界中の沢山の国々が、マドウーロ大統領の合法性を承認している。北京はベネズエラ政府の「主権を維持する努力」を支持した。一方、クレムリンは「ベネズエラの主権が尊重されることを保証する」支持をカラカスに断言した。

 ベネズエラの野党がボリバル革命の支持者たちを徴発するあらゆる可能なことをしてきた事は事実である。中国とロシアが承認した信用枠、あるいはマドウーロ大統領が署名した経済協定を「彼らの政府」は認めないと大声で明確に主張することによって、ベネズエラ紛争を事実上国際化した。

 北京、モスクワとアンカラは、今、間接的に、ベネズエラ野党の反民主主義の見取り図の標的とされている。現在の紛争の拡大、あるいは軍事的冒険は、ベネズエラの国境をはるかに越える影響を及ぼすだろう。

 この冷戦はカリブ海の太陽によって十分に温められた。介入に反対し、ボリバル革命に対する新しい攻撃に対して政治的解決を求めて結集することは、すべての平和活動家の責任である。戦争挑発屋連中に、彼ら以外の血を流すことを許さないようにしよう。(N)

原文URL:

https://www.telesurenglish.net/opinion/Ongoing-Coup-in-Venezuela-What-If-Same-Scenario-Happens-in-France-20190126-0007.html

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趣旨

今、ラテンアメリカでキューバを先頭とする社会主義、ないし社会主義を志向する大衆闘争が注目です。特に、昨年末(2015年)アルゼンチン、ベネズエラで右翼が勝利し、米国に支援された反動右翼と進歩的な人民大衆との熾烈な階級闘争が繰り広げられています。日本のマスコミは歪められたものしか報道していません。 だからこそ今、目の前で闘われている大衆闘争について現地の報道機関やブログで報道されているものを日本語にして日本の労働者に紹介していくことは、国際連帯としても日本での民主主義を闘いとる闘争にとっても有意義なことであるように思います。

おことわり

このブログでは英文記事を翻訳してご紹介しておりますが、筆者はかなずしも英語に堪能であるわけではありません。 従って、多々誤訳等があるかと思いますが、ご容赦願います。

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