2018年ラテン・アメリカの主な出来事

  • 2018.12.30 Sunday
  • 06:48

2018年、ラテン・アメリカの10大ストーリー

(2018's 10 Biggest Stories From Latin America)

2018年12月27日 teleSUR発

erial view of the Zocalo square during AMLO Fest to celebrate Mexican President Andres Manuel Lopez Obrador (AMLO) inaugurated in Mexico City, Dec 1, 2018.

メキシコシティでのメキシコ大統領アンドレス・マニュアエル・ロペス・オブラドール(AMLO)の就任を祝う集会のサカロ広場の様子。2018年12月1日。|写真:Reuters

 

グリーン・ウエイブがアルゼンチンを襲い、活動家ベルタ・カセラス殺人事件が裁判に掛けられ、中央アメリカの難民たちが米国へ旅した。

 

【1.中央アメリカの集団脱出――移民キャラバン:移民たちは団結の中に力を見いだす】

2018年10月

 

 北部三角地帯のホンデュラス、グアテマラとエルサルバドルを10月初めに1万人以上の中央アメリカ人が抜け出した。彼らは集団脱出と呼んで、団結の中に強さを見いだし、ドナルド・トランプ政権に難民申請を求めて米国までメキシコを通り抜ける3000kmの道のりを1カ月かけて旅した。

 5つの「移民キャラバン」の波が国際的な注目を集め、催涙ガスを打ち込んだり、10月にはグアテマラからメキシコへの入国を妨害しようとして低空飛行のヘリコプターを使用したりするメキシコの軍事体制の圧力を押しのけながら大勢の安全が確認された。

 ブリアン・デラルタ、30歳、ホンデュラス人の集団脱出の一人のメンバーは、10月にメキシコのベラクルス州を歩いている時に報道陣に次のように話している。「我々は怯えながら歩いている。それが、我々が一緒にまとまっている理由であり、団結を維持している理由だ。」

 AP通信の調査によればメキシコでは過去4年以上で4,000人の移民が殺されているが、これまで数年のキャラバンは移民や難民がメキシコを安全に横断するのを助けている。

 アメリア・フランク=ビタレが10月初めに最初のキャラバンが北部へ旅立った時に、グループの団結についてテレスールに話している。「難しいことはあるが、決定がなされる時には素晴らしい民主的なプロセスが起きている。人々は立ち上がって発言する。自分がどうありたいのか、手や音で示すことによって皆が参加する集会があり、決定がなされる。」

 中央アメリカの数千人の難民は、暴力や貧困、祖国の気候変動による飢えから逃れて、米国―メキシコ国境沿いの一時キャンプにまだ待機している。

 

【2.極右のジャイル・ボルソナロがブラジル大統領選に勝利】

2018年11月、ジャイル・ボルソナロ

 

 極右の政治家ジャイル・ボルソナロが、55%以上の得票を得て、44.3%の得票だった労働者党の候補者フェルナンド・アダジを破り、この数十年で最も2極化された選挙に勝利した。

 ボルソナロの選挙活動では、保守右翼の人気を勝ち取ったファシスト、人種差別や男女差別の発言と並んで、ほぼ完全に政治討論が無かったことが際立っていた。

 ブラジルの反ファシスト研究家で、歴史家であり社会学者のパブロ・メリゲト・カジェは、10月にテレスールに次のように話している。「極右は民主的プロセスにとっては非常に危険であり、革命的民主主義のプロセスにとっては最悪ですらある。」

 ブラジルの先住民組織は、先住民は「動物園の動物のように」保護されたままでいるよりは、支配的な白人/混血人の文化に同化する必要があるという「軽率な」今月初めの発言を非難している。

 

【3.シェブロンはエクアドルの環境大惨事の責任を一掃した】

エクアドルで石油除去作業をする労働者、2007年。Reuters

 

 6月にエクアドルの憲法裁判所は、この国のアマゾンでの30年間の操業によって影響を受けたコミュニティに環境及び社会的な補償として命じられた95憶US$の支払いを回避しようとするシェブロンの控訴を棄却した。

 しかしながら、8月30日には、ハーグ裁判所は、その決定を考慮すれば、エクアドルの最高裁判所が「(シェブロンの)正当性を否定し」、企業の司法手続きの権利を侵害したと裁定した。『テキサコ石油操業被害同盟』(UDAPT)はハーグ裁判所の裁定は「不適当」なものであり、シェブロンに払わせると誓っている。

 

【4.アルゼンチンの国民がIMFと緊縮政策に立ち向かう】

2018年11月のブエノスアイレスにおける反IMF、反G20の抗議

 

 アルゼンチンの組合と社会運動が、マウリシオ・マクリ大統領の緊縮攻撃に抗議するために、今年、国会前の通りや小さな都市の通りを繰り返し占拠した。10月までにアルゼンチンの労働組合は、数万人の国家公務員や運輸労働者の解雇とエネルギー補助金カットに対して抗議するために5回のゼネストを行った。

 教師と教員組合は、学校の予算削減に抗議し、現状40%から50%のインフレ率について行かない賃金の引き上げを求めて、3月から14日以上のストライキを行った。マクリ政権が6月に締結し、9月に再交渉した同国へ570憶US$の国債通貨基金(IMF)の融資の利子を食い物にして同国の経済を窒息させたので、今年2018年は、アルゼンチンでは「新しい貧困」の年として知られるようになった。

 クリスマス・イブには、幾つかのアルゼンチンの大きな組合、大衆経済のために労働者同盟(CTEP)や国家労働者協会(ATE)が教員と運輸労働組合と一緒に、議会の前で緊縮政策に抗議するためにその都市の貧しい2000人のためにクリスマス・ディナーを提供した。

 「我々が望んでいることは、沢山の闘いがあり、アルゼンチン人民にとっては非常に厳しかった今年をこのご馳走を共有することで終えることである。」とブエノスアイレスのCTEP no首脳ラファエル・クレイセルは晩餐会で記者団に話した。

 組合の抗議に対する警察の残虐性が強化され、今年、警備隊は、8月のブエノスアイレス郊外での反緊縮デモで少なくとも15人にけがをさせ、5人を逮捕した。

 

【5.グリーン・ウエイブ:女性たちが合法的な中絶、女性殺害を止めることを要求】

アルゼンチンとラテン・アメリカの「グリーン・ウエイブ」は中絶の権利を要求している。2018年11月

 

中絶合法化運動活動家たちは、アルゼンチンとラテン・アメリカ中のこの措置に対して支持する「グリーン・ウエイブ」のデモを盛り上げて、アルゼンチンでは中絶賛成法がもう少しで通過するところまで来た。数百万人の中絶支持者が、この保守的なカソリックの国で、妊娠初期から最大14週までの間で妊娠を終わらせることを許し、女性の生殖の権利を劇的に拡大する法案を議員が承認することを要求して、中絶賛成のシンボルとなった緑のハンカチを振りながら今年ずっとアルゼンチンでデモ行進を行った。

 この法案は下院が通過したが、8月に上院で際どく阻止された。それでも、活動家たちと13年前にこの法案を最初に提案した『無償で安全な合法的中絶のための全国キャンペーン』は、この対策を前に進めようと活動を継続している。一般大衆は中絶について議論し、堕胎薬をもっと広く使える法律を下院が承認した結果について大衆的な支持は拡大している。アルゼンチン保健省によれば、毎年30万人以上の女性が違法な中絶を行っている。

アルゼンチンに影響されて、2018年にはメキシコ、ブラジル、パラグアイやウルグアイの女性活動家たちが合法的な中絶の権利を熱心に要求し始めた。

 同時に、この地域の女性の抗議は、ラテン・アメリカにおける女性殺害の劇的な増加に対してもデモを行って来た。コスタリカからアルゼンチンまで女性への暴力と殺害と闘うために法律の歩みは進んでいるが、ラテン・アメリカでは女性殺害の半分以上が罰せられていない。

 

【6.黒人のレスビアン政治家マリエジェ・フランコがブラジルで殺された】

マリエジェ・フランコのポスター

 

 リオデジャネイロのアフリカ系ブラジル人であり、フェミニストの社会主義者の女性議員で、警察の暴力と右翼テメル政府を批判していたマリエジェ・フランコが、3月14日に彼女の運転手アンデルソン・ゴメスと一緒にブラジルの海岸の都市で暗殺された。それは、リオの貧民街での軍隊の弾圧を調査する特別委員会で報告者に指名された2週間後の事だった。

 彼女が殺される3日前に、マリエジェはアカリ貧民街での軍事警察の作戦中に二人の青年が殺されたことを非難していた。

 「アカリで起きたことを今すぐすべての人が知ることが出来るように大きな声で言わなければならない。(軍隊)はテロを行っており、アカリの住民を暴行している。これはいつも起きていることであり、軍隊の介入が自体を悪化させている」と彼女はツイッターに書いていた。

 6月に二人の警官が彼女の殺害に関係したとして逮捕された。ブラジルの公安大臣ラウル・ユングマンが政治家と民兵組織がフランコの暗殺を計画し、実行したが、この事件の解決を妨害しているのも同じ人々であると言って、彼女の殺害を法廷へ持ち込むことは遅々として進んでいない。

 

【7.ベネズエラが経済戦争に反撃するために仮想通貨ペトロを立ち上げ】

ベネズエラの通貨ペトロ

 

 ベネズエラ政府は、政府所有の精製石油50億バレルの裏付けを持つ仮想通貨ペトロを導入し、今年数百万を同国のペトロで売却した。ニコラス・マドウーロ政権は2月に8250万ペトロを売却し、政府に約7億3500万US$をもたらせた。

 同国がベネズエラに一層の制裁を課している米国ドルとトランプ政権を非難してすぐ、ペトロが国際市場で流通し始めた。マドウーロはドルを廃棄し、すべての国際的な政府決済はユーロ又は元で行うと発表した。

 マドウーロは、米国と違法な経済制裁からベネズエラが「金融上、自由となった」と宣言した。会社や個人は、ユーロ、ドル、元、ルーブルやルピー、あるいは使用されている仮想通貨を使ってペトロもペトロ・ゴールドも購入することが出来る。

 

【8.進歩主義者AMLOが地域的傾向に逆らってメキシコ大統領選に勝利】

2018年12月1日に就任したAMLO

 

 ホンデュラス、コロンビアとブラジルといった彼の周りで右翼が勝利する中、3度目の大統領挑戦で、中道左派アンドレス・マニュエル・ロペス・オブラドール(AMLO)が、今年メキシコの国家首脳に選出され、就任宣誓した。そして新自由主義をこの地域の「災難」と呼んだ。

 7月に選出されて、AMLOはちょうど1カ月前に就任したが、最低賃金の16%引き上げや裁判官や自分自身を含めた政府役人の給料の削減、石油の国有化の提案など、すでに進歩主義的な政策を導入している。

 AMLOはまた、しばしば無視されてきたオアハカ州、ユカタン半島の輸送と経済発展プログラムを開始したが、これらの地域の先住民の批判なしにはこれらの巨大プロジェクトはあり得なかった。

 12月1日に宣誓してから、大統領はベネズエラと外交的結びつきを継続することを約束してこの地域的な傾向に抵抗し、北へ向かう難民と移民の流れを食い止めるために中央アメリカと一緒に地域的なプログラムを作成しようとしている。

 

【9.コロンビアは社会活動家指導者に対する殺人記録を終わらせるように要求】

コロンビアに人々は平和を要求している

 

 コロンビアがコロンビア革命軍(FARC)との最終和平協定に調印して2年経っても、テレスールの計算によれば、社会活動の指導者や人権活動家400人以上が農村地帯で主に民兵組織によって殺されており、アフリカ系コロンビア人、先住民や農民に対する戦争は続いている。

 つい最近の11月22日には、ブエナベンチュラという都市で少なくとも3人のアフリカ系コミュニティのリーダーが、銃で撃たれ、かつてFARCや民族解放軍(ELN)が可能にしていた土地や資源を平等に利用できるようにしようとして、数百人が脅されたり、怪我をさせられたりしている。

 多くの者、特に被害者にとっては、2016年の協定は、少なくとも700万人が土地を追われ、26万人が殺され、8万人が拉致されたコロンビアの内戦を終結させるという希望だった。

 今年12月までに、新しく就任した右翼の大統領イバン・デューケによって数か月間無視され、退けられていたが、コロンビアの学生組織と社会運動は、殺人と教育費の増大に対する一連の全国的な抗議を開始した。全国高等教育学生連合(Unees)は、この結集は今年後半の増大した社会活動家の殺害を非難するものだと述べている。

 同国の社会活動指導者に対して為された「司法化や犯罪」を非難する活動をしてきた左翼のコロンビア上院議員アルベルト・カスティージョの助けを借りて、デモは1月中旬に再開することが計画されている。

  

 

【10.ベルタ・カセラスの殺人犯が有罪判決を受ける】

 『エネルギー開発』(DESA)のロベルト・ダヴィド・カスティージョが、先住民の環境保護活動家ベルタ・カセラスの殺害計画を助けたという容疑で警察に逮捕された。2018年3月2日、ホンデュラス。

 

 殺害された土地の権利活動家の家族やアムネスティ・インターナシナルやオックスファムなどの国際的な人権保護組織は、ベルタ・カセラスの死に対する正義の要求が完結していないと述べている。

 ホンデュラスのレンカ地区の採掘と闘った先住民の女性を殺害した罪で起訴された8人のうち7人が11月遅く有罪となったが、カセラスの娘と人権組織は、殺害を組織した連中はいまだに自由のままであり、再審を要求していると述べている。「我々は総務省に、この恐ろしい犯罪の知的で実際の命令者を引き込み、ベルタの正義を保証する、独立した、公平で、透明性のあるプロセスを強く求める。」と彼女の家族並びに28以上のホンデュラスや国際人権組織が主張している。

 殺人裁判が4回延期された後、10月に再開されたが、裁判官によって違法に処分された後、カセレスの家族の弁護団は出席していない。弁護団は、この裁判の裁判官に、起訴事実に反対する、狙撃犯に有利なデッチアゲの証拠を捨てるように要請している。狙撃犯には軍隊出身者もいた。

 ベルタ・カセレスは、レンカの人々が神聖視しているグアルカルケ川の、国際的な融資を受けた水力発電所建設を止めさせるために数年間の闘いの後、2016年3月2日にホンデュラス西部のラ・エスペランサの自宅で暗殺された。(N)

原文URL:

https://www.telesurenglish.net/news/2018s-10-Biggest-Stories-From-Latin-America-20181227-0017.html

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趣旨

今、ラテン・アメリカでキューバを先頭とする社会主義、ないし社会主義を志向する大衆闘争が注目です。特に、昨年末(2015年)アルゼンチン、ベネズエラで右翼が勝利し、米国に支援された反動右翼と進歩的な人民大衆との熾烈な階級闘争が繰り広げられています。日本のマスコミは歪められたものしか報道していません。 だからこそ今、目の前で闘われている大衆闘争について現地の報道機関やブログで報道されているものを日本語にして日本の労働者に紹介していくことは、国際連帯としても日本での民主主義を闘いとる闘争にとっても有意義なことであるように思います。

おことわり

このブログでは英文記事を翻訳してご紹介しておりますが、筆者はかなずしも英語に堪能であるわけではありません。 従って、多々誤訳等があるかと思いますが、ご容赦願います。

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