アルゼンチン:7月9日の独立記念日に反IMF抗議
- 2018.07.11 Wednesday
- 06:24
国際通貨基金(IMF)とマクリ政府の合意に対する抗議に参加したデモ隊。2018年7月9日、アルゼンチン、ブエノスアイレスで。|写真:Reuters
マウリシオ・マクリ大統領とIMFは「独立は交渉できないぞ」と叫んで、デモ隊がブエノスアイレスの7月9日通りを埋めた。
多くのアルゼンチンの人々が、独立記念日の7月9日に通りに出て、政府の極端な緊縮措置と最近のIMFの貸付に抗議した。
行進に参加した人たちは、同国の独立日にちなんで名づけられたブエノスアイレスのメイン通り『7月9日通り』を歩きながら、「祖国は諦めない。」と大声で叫び、「独立は交渉できない」「IMFにはノーを」と書かれたサインを掲げた。
ブエノスアイレスの元県知事フェリペ・ソラは、マウリシオ・マクリ大統領の経済計画は「飢え、困窮、中産階級も含めてすべての階級内の不満を作り出している、誰もどうにもできない。」と群衆に語った。彼は先月末に形式が整った国際通貨基金(IMF)の署名をもって政府の緊縮計画は終了すると述べた。
政府だけが15年の空白期間の後アルゼンチンにIMFを再導入する新しい貸付が良い考えだと考えているとサロが言い続けた。それが最も「深刻な」問題であると述べた。
マクリ政権は、同国の23%のインフレ、ペソの減価と全般的に崩壊しつつある経済を救い出す瀬戸際の取組を交渉するためにIMFに接近した。
一人の母親リタは、「我が独立記念日に独立を無くさないようにと要求しなければならないのは残念だ」と国内メディアに語った。
アルゼンチンの多数の人と同じように、リタは、1990年代後半の同国のIMFの貸付条件がどんなに2001年から2002年にかけての経済危機をもたらせたのかを覚えている。彼女も他の人と同じように、IMFの返済と政府の抑圧および独立の喪失を結びつける。
「IMFは、我々が国民として可能な決定に完全に閉鎖的だ。国民は国民を代表する政府を選んだ。我々は決定をするIMFを選んではいない。」とリタは結んだ。
マクリ大統領は、福祉制度を拡大しながら貧困と失業を削減すると約束してこの国の貧困層のご機嫌を取って2015年の選挙で選ばれた。
就任して2年後には、政権はすでにエネルギーと水の補助金、および政府職員を削減していた。2017年の11月と今年7月の間にガス、水道と電気の補助金を削り取り、平均1,300%という値上げ率となった。
ブエノスアイレス・タイムズによれば、3月だけで14,500人が職を失い、そのうち9,200人が公務員だった。6月には、他の350人の国営メディアのジャーナリストが突然解雇された。
購買力が低下し、零細企業が経営を維持することが不可能となり、3月には約13,200人の企業家がビジネスから撤退した。
政権が貧困を2-3%減らそうとする間に、現在の貧困率は29%となり、アルゼンチンの子供の約半数は貧困状態で暮らしている。
アルゼンチンの活動家カロリーナ・パパレオとヘラルド・ロマノは、月曜日の群衆に『2018年7月9日大衆宣言』を読み上げた。「マウリシオ・マクリが契約した外国債務は違法であり、不当である。それは独占的に一握りの大企業のポケットを満たすものだ。」
「彼らにそれを払わせろ。貧しい人と搾取されている人を犠牲にさせてはならない。」と活動家たちは読み上げた。
一方、マクリはトクマンでの独立記念日の演説で、「我々は嵐の中を進んでいる。我々は沢山の状況のせいで嵐を経験している。これには我々自身の管理上の問題、外国市場や以前の政府の政策の問題が含まれている。」
大統領は政府の目標に「自信を持たなければならない」と群衆に話し始め、再び「アルゼンチンに大きな犠牲」を要請した。(N)
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