ニカラグア:国民対話に向かうも破壊とテロ行為が続く

  • 2018.06.24 Sunday
  • 06:17

自家製の迫撃砲を持って攻撃しているテロ行動をマスコミは平和的な抗議行動だという。しかも死者の多くが政府支持者だというのに政府の弾圧だと?


ニカラグア危機――永続戦争の最新の段階

(Nicaragua’s Crisis - the Latest Stage in a Permanent War)

2018年6月17日 teleSUR(By: Tortilla con Sal)発

A demonstrator holds a homemade mortar during a protest against the government of Nicaragua

ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領政府に対する抗議行動で自家製の迫撃砲を手にしているデモ隊。2018年6月17日、ニカラグア、マナグアで。

 

野党は多分、路上の妨害物の撤去を遅らせるだろうし、政府から最大限の譲歩を強要するためにテロ攻撃を継続するだろう。

 ニカラグア野党の民兵組織の脅迫とメディアのテロ・キャンペーンは、ニカラグアの153自治体のうち約30自治体に恐怖と危険な状態、それと困窮をもたらせてきた。ダニエル・オルテガ大統領の平和をもたらそうとする献身的な努力だけが衝突の悪化を防いできた。ニカラグアの野党民兵組織の過激なサディズムの妨害と同じ位に、その支持者とメディアは政府のせいとだと非難することによって野党の犯罪に取って代わっている。6月14日のニカラグアの真の平和と正義を求める委員会は国民議会で就任宣誓し、168人が死亡し、2,100以上が負傷したことを報告した。

 誰かを非難するわけではなく、委員会の数字は200人の負傷者と8人の警察官の死者が含まれており、違法行為の中でも拷問と誘拐の様子を報告している。野党の過激派が現在の危機を引き起こすまでは、1980年代の戦争以降は、ニカラグアではこのような犯罪は聞いたことが無かった。ベネズエラにおける対抗勢力と同様に、ニカラグアの野党はすべての古典的なサイコパスの特徴を表している。野党の政治代表者たちは力づくで支配しようとすることで頭が一杯であり、譲歩する意志がない。野党の民兵組織にはどんな感情を理解することもなく、残忍なサディズムで攻撃している。野党メディアのトレードマークは、容赦の無さであり、執拗で、ひねくれたごまかしである。

 6月16日の日曜日には、マナグアで野党の民兵組織が放火した火災で6人が死亡した。マナグア以外の場所でも、二人が殺され、その内一人は路上で火を点けられた。野党政治家、支持者とメディアは民兵組織の責任であるこれらの死を政府のせいにしている。国民対話の条件として、ニカラグアの警察は自分の地区へと戻った。しかし、それから野党民兵組織は、自分たちを攻撃していると臆面もなく非難しながら、マサヤ、マテガルパ、ムルククなどで彼らを取り囲み、警察官を殺したり、傷つけたりしている。

 6月13日の夕方、サンディニスタの学生の指導者レオネル・モラレスが、野党の民兵組織によって誘拐され、拷問され、撃たれて、その後、死んだものとして排水路に投げ込まれた。彼はかろうじて生きているところを発見されて、病院で集中治療を受けている。モラレスは、最近まで野党民兵組織や今は逮捕されている犯罪ギャングと同盟関係にあった民兵組織の拠点であった私立のUPOLI大学のUNEN学生組織の指導者に選ばれて国民対話に参加していた。6月15日には、保健相のソニカ・カストロは、55台の救急車が破壊されたり、盗まれたりし、多くの健康センターと病院がダメージを受け、4つの病院が野党の民兵組織ギャングに侵入されたと報告した。

 これらの攻撃や虐待でさえ、政府や自治体事務所への沢山の攻撃、野党民兵組織による数十人に上る殺害と一緒くたにして、野党メディアは政府の責任だと非難している。同様に、6月14日のニカラグア真相究明委員会の優れた専門的なプレゼンテーションとは対照的に、6月13日の米州人権委員会のコミュニケは、野党の人権団体の組織的な嘘の証言を再度発表した。IACHRのコミュニケは野党民兵組織に対する批判を避けて、暴力の大部分について政府を攻撃的に非難した。

 一方、ニカラグア政府は、明確にIACHRのコミュニケを「偏向していて、公平でなく、関与していない行動を不誠実に国家のせいにした客観性が欠如したもの」として非難した。6月16日の朝の恐ろしい事件は、少なくともIACHRの誠実さが実際にテストされるだろう。被害者はすべてサンディニスタ支持者であり、攻撃した者は野党の民兵組織と集められた不良だった。もし、IACHRがこの犯罪は政府支持者が実行したものだという野党の嘘と同じことを言うとすれば、IACHRだけでなく、助言をし、寄り添ってきた多くの米州組織委員会の信頼も損なうことになるだろう。

 それでも、この国の政治的危機を解決する手助けとなる国際的なミッションを受け入れる準備があることを政府が確認したことで、6月15日には国民対話が前進した。多くの妨害があったが、野党と司教の仲介はおそらく新しくきたバチカンの使者の影響を受けて、最終的にニカラグア経済を麻痺させている路上障害物を撤去しろという政府の主張を受け入れた。しかし、ほぼ直後の15日夕刻には、野党は記者会見を開き、路上の障害物が撤去されることを拒否した。16日の朝、マナグアで恐ろしいテロ攻撃が発生した。二つの事件は、国民対話を妨害することを狙ったものであることは明らかである。そんな中にあっても、16日午後には、選挙と司法の変更の可能性について18日に対話を開始するという議題で合意した。

 野党は多分、路上の障害物の撤去を遅らせようとするだろうし、政府からの譲歩を最大限に引き出すためにテロ攻撃を継続するだろう。しかし、野党過激派もまた、路上の障害物を撤去するために保安部隊が出て来ることを誘発しながら、国民対話を封殺し、国際的な非難の、あるいは介入のための口実を与えることを期待している。これはベネズエラの気まぐれな野党以外の、米国に支配されたモデルへと繋がる。中には米国への移民や犯罪組織の増加を恐れて、米国政府はニカラグアの崩壊を望んではいないと考えていると見る人たちもいるが、米国のパワーエリートや政府が中央アメリカの人民の生活を心配しているとは誰も考えてはいない。

 ニカラグアで起きていることを一つの要因で説明できるものは無く、そこでは万華鏡のような関心の変化が混乱と予測不能な出来事を産み出している。サンディニスタ政府は誠意をもって交渉しようとしているが、米国の上院外交関連委員会のボブ・コーカーが6月11日にマナグアを訪れた時、米国共和党主流派と一貫性のないトランプ政権やニカラグアの野党過激派を支援している悪意を持った反キューバ・マフィアとの間のもう一つの亀裂を示すことになった。ニカラグアは、日本、台湾、韓国と強い関係を持っており、その産業界はおそらくニカラグアを不安定化させることに反対するロビー活動を行っている。OAS内のカリブ諸国もまた、そのほとんどがキューバとベネズエラを擁護しているように、おそらくニカラグアを擁護している。

 ニカラグア野党が、ベネズエラ野党と同じように分裂しているので、米国エリートは明確にできない直接的な体制打倒を推し進めようとはしていないかもしれない。米国エリートのニカラグア人の協力者たちは、選挙で敗北したことを理由として現在の危機を引き起こした。国の保安部隊を展開する代わりに政治的解決を主張することによって、サンディニスタ政府はおそらく最近の選挙での支持構造、FSLN支持が50%、野党支持が30-35%、支持なしが15-20%という支持構造を無傷のまま保持している。野党は大統領選挙と議会で多数を握るためには支持なし有権者すべてを必要としている。理論的には可能だが、そうはなりそうにない。

 国民対話は、2021年に予定されている選挙の前倒しも討議しており、米国の制裁やOASの介入といった外部要因はニカラグアの選挙情勢を野党が有利なようにするだろう。しかし、この危機は、心理戦争の繰り返しがどれほど人民に影響を与えるかにかかっている選挙では、野党の裏目に出るかもしれない。野党には現実的な候補者がおらず、彼らの経済提案には陳腐で利己的な親自由主義的な戯言があるものの、社会政治的政策は何も持っていない。だから、野党は2019年後半ないしは2020年初頭の選挙を主張するという選択をして、野党が選挙で勝利できる必要な条件を米国エリートが作る時間を稼ぐかもしれない。

 選挙を想定した場合のもう一つの明らかに重要な要素は、安全と組織された犯罪である。しばらくの間、野党過激派は挑発的攻撃と脅迫の政策を継続し、予測できない方法で選挙を意識した動揺や不安を作り出すだろう。人民は平和と安定を望んでいるので、保安警察に対抗する組織的犯罪や野党テロリストの暴力は政府に有利に働くだろう。さらに根本的に、この危機の結果として現れてくる、高失業、増加する移住、投資意欲の減退、資本逃避と高いビジネスコストといったこの危機の経済的影響に対処するために、政府は国内生産と食料主権を確保することに集中することになろう。

 政府もまた、危機が国際通貨基金に頼るように強制する支払いバランスのダメージを避けるために消費と投資の様々なパターンを形成しようとするだろう。危機を駆り立てている米国のもう一つの明確な意図は、人民経済と政府の補助金を維持する能力を攻撃することである。低収入家族への電気や交通費の今の補助金をカットすることは、2007年以来、毎年最低賃金を引き上げてきた効果を大きく減退させることになる。成功してきた政府の社会プログラム、教育や医療にも同じことが言える。これらすべては選挙結果に影響を及ぼすことになる。

 ニカラグアの現在の危機は、サンディニスタ民族解放戦線を破壊するための長期に亘る米国とその同調者の激しい拡大した戦略の一つであり、絶え間ないキューバとベネズエラに対する地域的な攻撃の重要な部分である。米国エリートがユーラシアで敗北したことは、アメリカ大陸における支配を強化し、ロシアの影響力だけでなくニカラグア運河をコントロールする中国を阻むことを余儀なくさせている。米国エリートは、ニカラグアの成功している、社会主義者による、再配分する大衆経済と米国の支配を揺るがす統合地域政策を破壊することも望んでいる。

 米国のパワーエリートがベネズエラ政府を打倒することに失敗したことによって、ニカラグアのサンディニスタ政府を変更させ、弱体化させることがより差し迫ったものとなった。ニカラグアの体制転覆は、例えばベネズエラとキューバ、あるいはパレスチナとイランとの関係において、米国とその同盟国の国際的な外交政策の障害物を取り除くことでもある。現在のニカラグアにおけるクーデターの策謀は単なる短期間の政治的出来事ではなく、ラテン・アメリカの貧困に喘ぐ大多数に対する米国エリートの永続戦争の強化なのである。ニカラグアのサンディニスタ政府にとって第一の優先は、武装衝突を避け、平和的な安定を達成し耐えることである。(N)

原文URL:

https://www.telesurtv.net/english/opinion/Nicaraguas-Crisis---the-Latest-Stage-in-a-Permanent-War-20180617-0021.html

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趣旨

今、ラテン・アメリカでキューバを先頭とする社会主義、ないし社会主義を志向する大衆闘争が注目です。特に、昨年末(2015年)アルゼンチン、ベネズエラで右翼が勝利し、米国に支援された反動右翼と進歩的な人民大衆との熾烈な階級闘争が繰り広げられています。日本のマスコミは歪められたものしか報道していません。 だからこそ今、目の前で闘われている大衆闘争について現地の報道機関やブログで報道されているものを日本語にして日本の労働者に紹介していくことは、国際連帯としても日本での民主主義を闘いとる闘争にとっても有意義なことであるように思います。

おことわり

このブログでは英文記事を翻訳してご紹介しておりますが、筆者はかなずしも英語に堪能であるわけではありません。 従って、多々誤訳等があるかと思いますが、ご容赦願います。

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