米国の「民主主義」は模範なのか?

  • 2018.05.17 Thursday
  • 06:36

多数の声が反映されない社会を「民主主義」と呼んでいいのか?有権者の僅か4分の1の得票しかないのに、「名目上」の三権分立は無視して、行政、立法、司法の権力を握り、一部の者が国家を私物化している社会を「民主主義社会」と呼ぶことはギャグでしかない。


米国はベネズエラの民主主義から何を学べたのか

(What the US Could Learn from Venezuelan Democracy)

2018年5月15日 teleSUR発

 5月20日にベネズエラの選挙が行われるが、米国国務省を引きずっている世界のメディアの多くは、実施される前からその選挙は「非民主的」だと報道するつもりでいる。

 米国の主要メディアは、ベネズエラの2017年の暴力的なグアリンバ抗議の間には早期の選挙を要求していた。国務省高官は去年3月29日に「マドゥーロ大統領はできるだけ早く選挙を実施すべきである。」と話していた。

 しかしながら、中央選挙評議会(CNE)が実際に前述の選挙を要請すると、これらの同じ声はトーンを変えた。

 非難は予想通りである。

 ワシントンポストの見出しは、この選挙は「民主主義にとって恐ろしいニュース」だと報道した。ニューヨーク・タイムズは、この選挙は「マドウーロの支配を強化する」ことだけを意図したものだと主張した。

 米国の副大統領マイク・ペンスは、実施を要求したわずか1か月後には、米州機構(OAS)にベネズエラにその選挙を中断することを要求するように発言していた。ペンスは、「虚偽で、不正のごまかしの選挙となる。」と主張していた。

 しかし、米国は本当にそんなことが主張できるようなモデル民主主義なのか?

 

【米国:すべてのために自由と正義なのか?】

 「民主主義」の世話人であると繰り返し主張し、「民主主義を広める」と称して、盛んに他国への侵略と内政干渉を正当化しているが、選挙に関する対外政策の歴史と同様に米国の選挙制度を見れば、まったく違った現実が見えてくる。米国には至る所で、民主的な方法で自分たちの指導者を選ぶ、世界中の人民の権利を無視してきた歴史を持ち、パラグアイ、ブラジル、アルゼンチン、ボリビア、チリ、グラナダといったラテン・アメリカで、選挙で選ばれた指導者を追放するために、その巨大な経済的、政治的軍事的圧力を使ってきた。

 民主主義に対する尊重の欠如は、米国国境内にまで広がっているので、米国大統領がホワイトハウスを保護するには何の価値も持たない一般投票に敗北した後も、ドナルド・ドナルド大統領が現在ホワイトハウスに居座っている。

彼の前のジョージ・ブッシュのように、トランプに反対した人が多数だったにもかかわらず、議論の的となっている選挙代理人の勝利によって、彼はその業務に滑り込んでいる。その時代遅れの制度は、2016年のギャラップの調査では米国市民の半数以上が賛成しないと答えている。

 米国の選挙代理人制度は、より人口の多い州がより多くの投票代理人を持つと決められているが、多くの州は勝者総取り政策を取っている。それは、ある候補者がオハイオのような州で一般投票の多数を獲得すれば、他の候補に投票した人たちは選挙での彼らの声を失うことを意味し、同様に、数百万人の投票が捨て去られることを意味する。

 米国の選挙制度は有権者の行く手を阻む障害物も存在しており、最終的には有資格者に投票へ行くことを断念させる。2016年には投票率は20年ぶりの低水準となり、実際に投票所に現れたのは有資格者の55%に過ぎなかった。米国では投票日は休日ではなく、平日に行われることが多く、多くの人が投票に行くことすら困難であることを意味している。

 多くの理由でマイノリティの人々と同様に労働者階級の間での投票率は低い傾向にある。例えば、幾つかの州では、有権者ID法が認められており、それらの州ではIDを持たないために登録できない多くの社会的に無視された人々を見ることが出来る。

 米国は国民ID制度を持っていないが、運転免許証や学生証が少なくとも、幾つかの場合、身分証明書として使用されている。黒人やラテン・アメリカ系住民の高い割合を含む労働者階級は、このような証明書を持っておらず、このような法律が認められている共和党が支配している州では投票することが出来ない。無効になった学生証を投票には有効としている州すらある。

 それゆえ、公共宗教研究所(PRRI)が2016年の選挙の前数か月に亘って米国市民を調査した時に、その結果が健全な民主主義から期待されるものではなかったことは驚くに当たらない。回答の61%が、主要政党が彼らを代表しているとは思っていないと答えている。

 海外では、米国は非民主的で独裁的な体制を支持してきた長い歴史も持っている。

 1973年には、中央情報局(CIA)がチリの社会主義者の大統領サルバドル・アジェンデを追放した後、軍事独裁のアウグスト・ピノチェトを支持し、政治的迫害、チリ共産党を地下に追いやり、強制的に数千人人々を行方不明にした責任を負っている。

 今日の米国が友人を選ぶ際により慎重になっているわけではない。最も親しい友人にはサウジアラビアがおり、市民の政治的参加をほとんど認めていない絶対君主制を残す国の一つである。米国がベネズエラで繰り返し行っているように、クーデターを要請することよりも、米国の政治家やメディアはサウジアラビアの君主制を通常は称賛しており、モハメド・ビン・サルマン王子を「革命的」だということすらあるのだ。

 

【ベネズエラ:選挙を超える民主主義】

 1998年にウーゴ・チャベス元大統領が大統領に就いて以来、労働者階級の支持の高まりの下で、ベネズエラは25回の選挙と5回の大統領選挙を行って来た。

 これらの選挙について、野党とその同盟したメディアは、自分たちが勝利した時を除いて、毎回不正だと叫んで来た。チャベス主義同盟勢力は2回敗北したが、その結果を認め、その度に

尊重してきた。独裁が野党に勝利させるのか?

 米国と違って、ベネズエラでは常に高い投票率となっている。2013年の大統領選挙では約80%の投票率となり、この地域の国々ではキューバを除いて最高である。

 

 ベネズエラの選挙システムは最新の技術を組み込んでおり、投票機械の起動には生体認証が使用され、電子投票には投票用紙監査が実施され、暗号化され、隔離されたネットワークを通して電子投票の結果が送信されている。プロセスは各段階で完全に監査可能となっている。

 さらに、1999年のベネズエラ憲法には、あらゆる選出された公務員と同様に大統領も「リコール国民投票」が認めている条項があり、住民諮問委員会を通して大統領選挙の間に異議を申し立てることも可能である。

 憲法72条には、「選出された公務員の任期の半分が経過した場合には、当該区域で記載された有権者の2割を下回らない数をもって、その罷免の国民投票の開催を請求することができる。」と定められている。

 実際、ベネズエラの野党は、故チャベス大統領に対して2004年にこの条項を使用した。その時には、野党は必要とされる署名を何とか集め、その年6月8日に国民は投票を行った。その結果は社会主義者の大統領解任反対が58%となり、野党の望みは否認された。

 それから、以前のそれぞれの選挙や国民投票では、中央選挙管理委員会(CNE)はこのプロセスを監視するための、国連やカリブ共同体(CARICOM)を含む、国際的な監視団を招請して来た。

 ベネズエラの民主主義は、ボリバル革命の成長と共に変革されている。チャベスが登場して、この国の歴史上初めて、人民の意志を本当に代表する政治勢力が権力に就き、コミュニティは、この国の建設における活動的な参加者で、建設者となった。この参加型の民主主義の最も典型的なものは、コミューンという構想であり、あるいは組織されたコミュニティである。それは運動の特徴を規定するようになった。

 その結果は、政治プロセスであり、日常の生活とこの国の文化にしっかりと埋め込まれた参加型民主主義の意義である。それは米国が達成したものとは程遠いものである。

 草の根組織と組織されたコミュニティは、ベネズエラにおける変革の強力な担い手である。地域レベルでの変革を達成した彼らは、全国へと代表を送り込んでいる。これは昨年の憲法制定議会選挙に典型的に示されている。その時には、代表者たちは、労働組合、女性組織、農民、地方議会や産業人と並んで選出されている。

 いかなる民主主義と同じように、5月20日の結果はまだ決まっておらず、その国が進む道筋に関しては大きな岐路である。しかしながら、自信を持って言えることは、ベネズエラの国民が投票に向かう時には、彼らは深く根付いた政治の担い手であり、主権を持つ人民として投票することだ。

 米国は沢山の事を学ぶべきである。(N)

原文URL:

https://www.telesurtv.net/english/analysis/What-the-US-Could-Learn-from-Venezuelan-Democracy--20180512-0018.html

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趣旨

今、ラテン・アメリカでキューバを先頭とする社会主義、ないし社会主義を志向する大衆闘争が注目です。特に、昨年末(2015年)アルゼンチン、ベネズエラで右翼が勝利し、米国に支援された反動右翼と進歩的な人民大衆との熾烈な階級闘争が繰り広げられています。日本のマスコミは歪められたものしか報道していません。 だからこそ今、目の前で闘われている大衆闘争について現地の報道機関やブログで報道されているものを日本語にして日本の労働者に紹介していくことは、国際連帯としても日本での民主主義を闘いとる闘争にとっても有意義なことであるように思います。

おことわり

このブログでは英文記事を翻訳してご紹介しておりますが、筆者はかなずしも英語に堪能であるわけではありません。 従って、多々誤訳等があるかと思いますが、ご容赦願います。

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