ブラジル:今度は司法クーデター?
- 2018.04.10 Tuesday
- 05:49
ABC鉄鋼労働組合での演説の後、支持者たちによって持ち上げられるブラジルの元大統領ルラ。|写真:Twitter / @LulapeloBrasil
ボリビアのエボ・モラレスがツイートした。「頑張れ、兄弟ルラ。あなたの闘い、貧しい人たち、労働者のための闘いは我々のものでもある。」
今週初めにセルヒオ・モロが出した逮捕令状に彼が従い、土曜日夜、連邦警察に身を任せた後、ラテン・アメリカ中の政治指導者たちがブラジルの元大統領ルイス・イナシオ・「ルラ」・ダ・シルバに連帯を表明した。
ベネズエラの外務省は、ルラは、「2016年にクーデターによってディルマ・ルセフ大統領を罷免して以来、手段として利用された明白な宗教裁判」の被害者であるという公式の声明を発表した。
ボリビアの大統領エボ・モラレスはツイートし、「頑張れ、兄弟ルラ。あなたの闘いは、貧困者と労働者の、我が人民の尊厳と主権を約束した知識人と専門家の闘いは、我々の(闘い)でもある。判決は不当だ。司法クーデターは彼を(我が)人民から引き離すことなどできない。」
エクアドルの元大統領ラファエル・コレアは、ブラジルの企業メディアが進めている、ルラの政治的・歴史的に高い評価を破壊しようとする戦略を非難し、彼の無実を擁護するためのデモと抗議行動を支持した。
元コロンビアの大統領で南アメリカ諸国連合(UNASUR)の事務総長であるエルネスト・サンペルは、ルラは政治犯であり、彼の留置はブラジルの民主主義を傷つけるものだと発言した。
キューバの外務省は、「同志ルイス・イナシオ・「ルラ」・ダ・シルバの収監に絡んだ政治的狙いを認めない。それはブラジルで最も人気のあるリーダーが今年の大統領選挙の候補者になることを妨害することを狙った深刻な事件である。」という公式声明を発表した。
元大統領クリスチナ・フェルナンデス・キルチネル(アルゼンチン)、フェルナンド・ルーゴ(パラグアイ)とニカラグアの現大統領ダニエル・オルテガもまたリラを支持することを表明した。
フランスの政党『フランシア・インスミサ』の指導者ジーン・ルク・メランションもツイートし、「ルラは決して汚職などしない、それは嘘だ。これは司法クーデターだ。彼は(大統領選の)世論調査で15ポイントリードしていた。」と書き込んだ。
ルラが大統領であった2期は沢山の社会プログラムが記録されており、ブラジルの数百万の人々を貧困から救い上げ、国連の世界飢餓地図から同国を外させたのだった。彼の最も意欲的で成功した計画の一つは、家族手当(Bolsa Familia)だった。2003年から開始したのだが、貧困ライン以下で生活している家族に給付金を支給した。そのお返しに、これらの家族は子供たちが学校に出席していること、ワクチンを接種したことを証明しなければならない。
彼は司法とメディアの批判者に「もし彼らが私に(今年の大統領)候補者になって欲しくないのであれば、私に反対の世論調査を集めればいいのであって、私の立候補を妨害する策略やトリックを使うべきでない。」と語っていた。
土曜日にサンパウロにあるサオ・ベルナルド・ド・カンポのABC鉄鋼労働者組合本部の路上で熱狂的で意欲を刺激する演説をした後、ルラは集まった支持者によって高く持ち上げられ、まるでステージから浮き上がるように群衆の中を建物へと戻って行った。間もなく彼は連邦警察に身を任せ、モロが発行した逮捕令状に従うことになる。
彼はサンパウロから飛行機に乗せられ、元大統領を支持する社会運動家や支持者たちが、彼が拘束された連邦警察本部の前にテントを設置したクリチバ市の刑務所へ護送された。
データフォルハによれば、2011年に83%の支持率を記録したまま大統領の任期を終えたが、法律的な災難や収監にもかかわらず、ルラは、今年実施された『フォックス・ポプリ』、『データフォルハ』、『データー・ポダー360』、『インスティテュート・パラナ』、『ザ・ナショナル・コンフェデレーション・オブ・トランスポーテーション/MDA』と『イプソス』のすべての選挙世論調査でトップだった。(N)
原文URL: