無償の音楽プログラム『エル・システマ』の創設者アブレウが死去

  • 2018.03.26 Monday
  • 06:27

偉大な音楽家であり、偉大な社会活動家のご冥福をお祈りします。「貧しい者の文化は、『貧しい文化』であってはならない」


ベネズエラの先見的音楽家ホセ・アントニオ・アブレウが78歳で死去

(Venezuelan Musical Visionary Jose Antonio Abreu Dies Aged 78)

2018年3月25日 teleSUR発

Abreu worked as an economist and was elected a substitute member of parliament in the 1960s, but music was never far from his mind.

アブレウは経済学者として活動し、1960年代には議会の代議員に選ばれたが、音楽が彼の心から離れることは決してなかった。|写真:Reuters

 

偉大な音楽家アブレウは世界的に名高い『エル・システマ』音楽プログラムを作り上げた。それは300万人の子供たちに無償の音楽教育を提供している。

 ホセ・アントニオ・アブレウが78歳で亡くなった。彼はベネズエラの音楽家であり、経済学者で、世界的に名高い『エル・システマ』を作った元閣僚であった。『エル・システマ』は300万人の子供たちに無償の音楽教育を提供している。

 この指揮者の音楽の広大なキャリアは、社会活動家としての貢献とバランスが取れていた。アブレウは一つのミッションを念頭に置いていた。すなわち、年齢や技量だけでなく様々な社会部門へ音楽を民主化することであると、『エル・インプルソ』が報告している。

 アブレウは40年前にガレージの中で、9人の音楽家と共に「エル・システマ」を作った。それは「人間の発展に音楽を生かすことを目指した社会的プロジェクトとして、国全体がそれに参加することを目指した国民的なプロジェクトとして」作られた。

 「音楽は子供たちを特別なものとする。それは知的な可能性を開き、それを尊重する。心の中に価値感の種を蒔き、彼に美しく高貴なものを理解することを教える。」とアブレウは言い、貧しい者の文化は「貧しい文化」であってはならないと信じていると述べていた。

 慎ましいところから始まって、このシステムのネットワークは、300のコーラスとオーケストラにまで広がり、スエーデン王立アカデミーとユネスコから賞を受賞している。

 現在ロサンゼルス・フィルハーモニーのディレクターであり、ベネズエラの著名な指揮者グスタボ・デュダメルは、ツイッターでアブレウと一緒に写った彼自身の写真を付けて賛辞を送った。「熱愛と永遠の感謝を私の良き指導者であり、エル・システマの父に贈る。」

 ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領はテレビで次のように述べた。「我々は偉大な音楽家アブレウの…死に、深い悲しみの中にいる。」

 ベルリン・フィルハーモニーのディレクターであるシモン・ラトル卿は、2010年のノーベル平和賞を彼に提案した時、アブレウの成果を次のように書いていた。「アブレウとエル・システマが成したことは、麻薬や暴力に溺れてしまうかもしれなかった何十万人もの人々に、音楽を通して希望をもたらしたことである。」

 アブレウは1939年5月7日に生まれ、1950年代と1960年代に議員であり経済学者としてベネズエラの政治に大いに貢献した。しかし、彼が健康問題を悪化させた後、すべてを音楽に専念すると発表して、ピアニストとして評価を得た。

 彼は最近スイスを訪れ、昨年フランシスコ法王のために演奏した。彼は生涯の間に、オーストリア皇太子音楽賞を始め、多くの国と国際的な沢山の賞を受賞している。

 アブレウは1月にテキサス州のヒューストンの病院に入院した。様々な健康問題と闘っていたが、ベネズエラの青年と子供のコーラスとオーケストラの国民的システムの創設者は、土曜日79歳で死去した。

 彼の遺体は、日曜日のAM8時からPM1時に、音楽社会事業ナショナル・センターに埋葬される。(N)

写真:Reuters

原文URL:

https://www.telesurtv.net/english/news/Venezuelan-Musical-Visionary-Jose-Antonio-Abreu-Dies-Aged-78-20180324-0010.html

コメント
2017年のウィーンフィルニューイヤーコンサートを指揮して話題になった、グスターボ・ドゥダメルの経歴を調べた時、ベネズエラのエル・システマを知りました。「貧しい者の文化が貧しいものであってはならない」という言葉は、貧困問題の本質を見抜いたすごい警句だと思います。日本では音楽を本格的に学ぶにはそれなりのお金がかかるのに、質の高い音楽教育を無償で提供するエル・システマは、世界に誇れるベネズエラの財産だと思います。アブレウ氏の志がずっと引き継がれていくことを願って止みません。
  • 烏丸まり
  • 2018/03/28 1:51 AM
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趣旨

今、ラテン・アメリカでキューバを先頭とする社会主義、ないし社会主義を志向する大衆闘争が注目です。特に、昨年末(2015年)アルゼンチン、ベネズエラで右翼が勝利し、米国に支援された反動右翼と進歩的な人民大衆との熾烈な階級闘争が繰り広げられています。日本のマスコミは歪められたものしか報道していません。 だからこそ今、目の前で闘われている大衆闘争について現地の報道機関やブログで報道されているものを日本語にして日本の労働者に紹介していくことは、国際連帯としても日本での民主主義を闘いとる闘争にとっても有意義なことであるように思います。

おことわり

このブログでは英文記事を翻訳してご紹介しておりますが、筆者はかなずしも英語に堪能であるわけではありません。 従って、多々誤訳等があるかと思いますが、ご容赦願います。

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