ブラジル:再びソフトクーデターか?大統領候補本命ルラに有罪判決
- 2018.01.26 Friday
- 06:45
2018年の大統領選挙への彼の立候補の支持集会に立つ元ブラジル大統領ルイス・イナシオ・ダ・シルバ。2018年1月23日、ブラジル、ポルト・アレグレ。|写真:REUTERS/Paulo Whitaker
ルラの弁護士が判決の数時間以内に共同声明を発表し、「ルラ大統領は、政治的な起訴と有罪判決に苦しめられている。」と述べた。
元ブラジル大統領ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバは、大統領への復活のチャンスに大きな打撃となる、2017年の汚職有罪判決に対する控訴審で敗北した。
水曜日、3人の控訴審判事のうち2人が下級審の決定を支持する投票をした結果、この判決が出された。ルラはまだ最高裁への上告の可能性を残しているが、この裁判の判決は10月の大統領選挙から彼を締め出す可能性がある。
ルラの弁護士クリスチアーノ・サニン・マルテンスとバレスカ・テイセラ・サニンは、判決の数時間以内に共同声明を発表し、「ルラ大統領は、政治的起訴と政治的有罪判決を受けている。この判決はセーフではなく、誤審だ。我々はこの政治的な有罪判決と闘い続ける。」と述べた。
「一人の担当判事が、証拠も無く、捜査、起訴と有罪を決めた。今日、無実の証拠と法の支配を無視することを3人の判事が選択した。そうしたことで、彼らが法の支配に対する信頼を危機に陥れるきっかけを作った。」
「我々は、ルラが公正な裁判を受けることが不可能であることを証明した。まさに最初からすべての過程が、正義として偽装された合法的な茶番劇だった。」
「ルラの基本的人権は侵害されており、彼の国内の合法的な救済手段は閉じられた。我々はこの裁判の訴訟及び判決を国連人権委員会へ委託している。」
「今日の判決は、単なる一人の男以上の大きな結果をもたらす。これはすべてのブラジル人に影響する。我々はこの政治的判決と闘い続け、ルラだけでなく、法の支配を信じているすべてのブラジル人のためにこの闘いに勝利する。民主主義は勝たなければならない。」
2017年7月に、セルヒロ・モロー判事が、元左翼の大統領の汚職とマネー・ロンダリングに関して有罪を主張し、10年の投獄という有罪判決となった。この判決は、彼とその妻が、家具やグアルハにある浜辺のアパートの改造だけでなく、OASグループの建設会社から数百万のキックバックを違法に受け取ったという主張をその根拠としている。
2018年1月24日、サオ・ベルナド。ド・カンポの冶金労働組合に到着した元ブラジル大統領ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ。|写真:REUTERS/Leonardo Benassatto
72歳の左翼の指導者は、この裁判は、彼を大統領選挙から除外するという政治的動機を持つものだと主張してきた。
「私は冷静である。私はどんな罪を犯していない。」と、今朝、サオ・ベルナド・ド・カンポの冶金労働組合で支持者にルラが話した。「私は沢山の感情を持ってはいるが、私に起きたことは、この国で失業している数百万人のブラジル人に起きていることと較べれば大したことではない。」
数千人のルラの支持者、組合活動家と労働者党の党員が、昨日、支持を示すために裁判所の外に集まった。
選挙からルラが排除されることは、10月の大統領選挙を前にしてこの国の政治状況を根本的に変えてしまうことになる。世論調査『データフォルハ』によれば、ルラは、今のところ、有権者の36%が彼の立候補を支持しており、選挙での明確な本命である。これは、反ルラ感情に溢れた、極右の議員で元陸軍大尉ハイル・ボルソナロという有力対抗馬の2倍の率である。
「それはクーデターだ。」と石油労働者労働組合のシモン・サナルディが、CGTNに今朝早く語った。「彼らは、ルラが大統領に立候補すれば、ブラジルに民主主義が復活されるし、労働者が再び権力を獲得することが分かっていたので有罪としたのだろう。」
ブラジルに拠点を置くジャーナリスト、ミカエル・フォックスが、「ルラの弁護士や左翼に人々は、これは2016年のディルマ・ルセフを追放したクーデターの続きであると言っている。彼らは、これは、ルラが立候補することや権力に戻れないようにする次の段階であると言っている。」とテレスールに話した。
「エリートと大資本は、継続してこの国を支配し、ルラの労働者党の政策を巻戻したがっており、その結果、労働者党の政策だけでなく、あらゆるものが数十年前に戻されてしまう。」
『データフォルハ』によれば、83%の記録的な支持率を持って大統領を辞めたことで、『ボックス・ポプリ』、『データフォルハ』、『データー・ポデル360』、『インスティテュート・パラナ』、『トランスポーテーション/MDA全国連合』と『lpsos』による次期大統領の世論調査で、ルラは今のところリードしている。「ルラは、この選挙の前に最終決定なしに止めることはできない。」と選挙法を専門とする弁護士ラファエル・モルゲンタウがCGTNに語った。
「上告の権利とこの種のプロセスの遅さを考えれば、彼が選挙に出ることは十分現実的なシナリオである。」
彼の大統領としての2期に間には、沢山の社会プログラムが実施され、数百万人のブラジル人が貧困から抜け出し、ブラジルは国連の飢餓地図から抜け出ることが出来た。彼はまた、住宅と教育の面でも目覚ましい改善を行った。それらは、過去この国を支配した連中とは対照的だった。(N)
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