チリの大統領決戦投票で、中道右翼の億万長者が勝利
- 2017.12.19 Tuesday
- 06:23
大統領選挙で投票するチリ大統領候補セバスチャン・ピニェラ。2017年12月17日、チリ、サンチャゴで。|写真:Reuters
チリの中道右翼で億万長者の元大統領セバスチャン・ピニェラが、大統領としての2期目を務める。
チリの大統領決戦投票で、億万長者で元大統領セバスチャン・ピニェラが、中道左派のアレハンドロ・ギジェールを破った。
前政権が実施した改革を守るように支持者に呼びかけながら、ギジェールは、感情的なメッセージでピニェラの勝利を認めた。
ピニェラ68歳は、82%の開票時点で、54%の得票でリードしている。
海外の投票の結果は、64歳の元ジャーナリスト、ギジェールに海外投票分の71.13%という地滑り的な支持を示した。海外にいる沢山のチリの有権者も決選投票に参加した。
しかしながら、ピニェラは、15地域のうち13地域でギジェールに勝利した。
この選挙は、ギジェールが約束した社会福祉を支持するコースとかつての故独裁者アウグスト・ピノチェトの後継者ピニェラが支持する正統派の新自由主義の方へ逆戻りの間の競争と見られていた。
どちらの候補者も、チリの自由市場モデルに対して挑戦することはしていないが、ギジェールは、退陣するミシェル・バチェレットから引き継いで現政権の教育、税制と労働政策の全面見直し政策を維持する一方、ピニェラは、企業の利益確保を加速する税の削減を約束して立候補していた。
ハーバードで教育を受けたエコノミスト、ピニェラは1980年代にチリへのクレジットカードの導入で富を築いたが、彼はチリの批判の多い個人年金基金に対抗する公的年金基金を作り、自由教育を拡大すると発言している。
はるかに質素な人気のラジオとテレビの元ジャーナリスト、ギジェールは、無償の高等教育の利用拡大や独裁時代の現憲法を改訂しようと、労働者や先住民の権利を憲法に書き込むことを約束していた。
ラテン・アメリカで5番目の経済国は、1990年以来2度目の右翼候補が統治することになる。
この選挙の後に、ブラジル、メキシコとベネズエラで左右両派が競い合う2018年のラテン・アメリカの永い期間の選挙が行われる。(N)
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