ベネズエラの反対派による暴動とエクソンモービルの関係

  • 2017.06.10 Saturday
  • 09:19

今のベネズエラで沢山の死者を出している反対派の暴力と破壊行動は、国内右翼と国際資本によるクーデターを模索する行動であり、決して民主的な行動ではありません。死者のほとんどは、反対派の暴力破壊行動によって殺されたもので、警察による弾圧によるものではありません。


ベネズエラに対するクーデターのルーツは、エクソンモービルに始まる。

(Route of Coup Against Venezuela Begins at ExxonMobil)

2017年6月8日 teleSUR(By: William Serafino)発

Exxon logo.

エクソン・ロゴ|写真EFE

 

ベネズエラ人のジャーナリスト、ウイリアム・セラフィノは、マドゥーロ政権に対する攻撃をエクソンモービルの利害と結びつけている。

【サモラ計画】

 4月18日のこと。再び、暴力、すなわち、破壊と法秩序維持との対立が予想された場所での座り込み(苗木)の前日、この政治情勢は、ベネズエラ反対派の対立を辞さない戦争挑発的な傾向によって明確にされた。

 ニコラス・マドゥ―ロ大統領が、ミラフローレス大統領官邸から、夕方、スピーチを行い、防衛大臣パラディノ・ロペス将軍、副大統領タレック・エル・アイサミと国民議会議員ディオスダド・カベージョと一緒に、この国の秩序と安全を保障するサモラ計画を発表する。

 同日夕方、合衆国の国務省の声明が発表されたことから、この決定が促された。この声明は、

「苗木」をしている間に、反対派の計略と連携した衝突によって生み出される暴力を公然と支持し、やがて来る制裁を避けるために、ベネズエラの軍隊と司法機関というキープレーヤーにこれらの行動を認めるよう脅そうとした。

 重要な要因の中でも、証拠を挙げることなく、この声明は、拷問している機関として、警備組織、特に科学警察と諜報機関および、「デモ隊を抑圧する集団」の侵入を容認する国家警備組織を名指ししている

 

 反チャベス主義者の「苗木」は、4月19日に、ミランダ州サントニオ・デ・ロス・アトラスでの国家警備隊の巡査部長など、それぞれの州で4人の死者を出した。

 

【合衆国の国務省のトップは誰か?】

 現在の合衆国国務長官は、対外政策の責任者だが、レックス・ティラーソンであり、元エクソンモービルの最高経営責任者である。合衆国が大きなプロジェクトを保有していたオリノコ石油地帯をチャベスが国有化する決定をした時、ティラーソンは、この会社の最高責任者だった。

 国有化した後の新しい指示によれば、ティラーソンの命令で、合衆国の会社は、国有化されたPDVSAと共にモナガスにあるセロ・ネグロが所有している石油プロジェクトについて再交渉しないことを決めた。エクソンモービルは、2007年に総額200億US$の補償を求めて、ICSID(世界銀行の投資紛争調停裁判所)にPDVSAを提訴した。

 

 10年近くの法的な闘い、様々な裁定に対する再審理や上訴の結果、2017年3月10日、ICSIDは、デコボコはあるものの、PDVSAの損賠の支払いを免除することを決定した。北部の石油会社は、ベネズエラ国家に有利なこの裁定で、歴史上最大の法的な敗北を喫した。

 

【エクソン・ブランドの政治家たち】

エクソンモービルは、合衆国のその他の大きな国際的な会社と同様に、彼らの利益に従って合衆国の構造の内部で影響力を発揮するために政治家たちと契約している。いわゆるロビー活動は、その国では合法的であり、会社は、彼らの利益(税金の免除、規制の撤廃、連邦政府の補助金など)に合うように法律を修正し、また成立させようとして、政治家たち(エクソンモービルの場合、多数の共和党員)とロビー会社に大金を支払っている。

 公開された秘密情報によれば、2016年を通して、この石油会社は、これらの目的のために数十人以上の政治家たちを支援するために資金を投資して来た。ドナルド・トランプ(現大統領、レックス・ティラーソンを国務大臣に指名した)に25,461US$、マルコ・ルビオに17,701US$とエド・ロイスに7,500US$などである。

 フロリダ出身の上院議員マルコ・ルビオとカリフォルニア代表のエド・ロイスは、立法議案の重要なキー人物である、ベネズエラに対する制裁を導入しただけでなく、幾つかのケースでは、政治的支援や、現地で指導する打倒の陰謀に対して外交的な支持を表すために、とりわけ、ルイス・フロリダ、リリアン・ティントリ、フレディ・ゲバラのような反対派のリーダーたちと会談していた。

 

【法律S.3117:ベネズエラ反対派への財政支援】

 公開された秘密情報によれば、2016年には、エクソンモービルは、法S.3117(国務省、海外活動と関連プログラムの2017年分の割当法)のためにロビーに支払った企業の一つである。(ウエブサイトでは、総額を明らかにしていない)この法律は、合衆国にとって重要な国における国務省の作戦の政治的目標を資金援助することを保証するものである。

 NEDやUSAIDのような機関に渡された資金は、この法律に根拠を持っている。2017年5月3日、ポール・ライアン下院議長(2016年にエクソンモービルから14,025US$の資金援助を受けていたもう一人の政治家)の指導の下で、この法律は認可された。

 USA議会の公式ページによれば、この法案の提案者は、サウスカロライナの共和党上院議員リンゼイ・グラハムであった。彼は、資金提供者のガイドラインに従って、その成立のためのロビー活動の責任者であった。

 この法律の上院の報告は、550万US$とベネズエラでの政治的経済的改革への追加資金で、ベネズエラの反対派グループ(「市民社会」傘下にあるNGO)に対して国務省が財政支援することの重要性を強調している。同時に、ベネズエラでの改革を促進するために果たす「地域組織の役割、特に米州機構」の役割の重要性を強調している。さらに、カリブ諸国と我が国との政治と石油の同盟における否定的影響を与えている、カリブ諸国におけるエネルギー保障の支持を拡大することを強調している。

 レックス・ティラーソン国務長官は、4月19日には、その組織内で圧力をかけるアメリカの戦略の調整役であり、重要な工作員としてのウルグアイ人のルイス・アルマグロに触れて、「我々は、我々の憂慮を伝えるために、その国で何が起きているか、特にOASを通じて、他の誰と協力しているかじっくり観察している。」とコメントした。

 カリブ諸国ブロックは、合衆国同盟が、その組織からベネズエラを決定的に、国際的に孤立させようとすることを阻止する上で重要な役割を果たした。

 しかし、ベネズエラに対する攻撃は、ある地政学的な重要性を暴露した。すなわち、合衆国は、ベネズエラの国際的な同盟を壊すだけでなく、合衆国の液化ガス(エクソンモービルは、有数の輸出会社の一つ)を輸入する有力な港へとカリブ諸国を改造するために、至急にペトロカリベを打倒することが必要となった。そして、この大陸のエネルギーと地政学的支配へ繋げるために。ベネズエラに対するクーデターは、ロシアと中国の資本と投資の進出に絡んで、排他的な影響力を持つ地域としてこの大陸を確かなものとする戦略である。

 グラハムは、5月にファン・マニュエル・サントスが、ホワイトハウスへの公式訪問をしている間、ベネズエラに思いとどまらせ、近隣諸国に最終的に「人道的緊急事態」か、または武力衝突の準備の両方のために、公式に、コロンビアに武器の提供を申し出た。

 

【ベネズエラの石油への関心】

 上述のように、エクソンモービルの石油備蓄は、ロシアへの制裁と中東における戦略的井戸の老朽化、その時価総額と石油市場における優位性に影響を及ぼしている現実の結果として、大きな減少を被っている。

 この緊急性が、エクソンモービルに、ガイアナ政府を利用してエセキボ川流域に位置する石油とガスの強大な埋蔵量を獲得するために法を超えたやり方を求めさせている。その地域は、国連で、ベネズエラが主権を持つ領土だと主張している。

 

 しかし、疑いもなく、20世紀最後の段階でベネズエラを支配した「石油開放」の方式で行われた、その地域での絶え間のない石油とガスの調査は、オリノコ石油地帯を再認識する優良な油田であると報告している。完全な供給源として世界最大の石油埋蔵量を獲得し、確保しておくことは、石油会社間の熾烈な競争と地政学的な利害関係という点において、望みをかなえたい合衆国の石油会社にとって、ますます緊急の必要性となっている。

 体制打倒の具体化が、必要とされている。先月、対外関係会議のシンクタンク出身の重要な専門家グループが、この目的の枠組みの中で、合衆国政府への提案書のセットを詳細に説明した。

 要するに、CFR(これは20世紀初頭から合衆国の外交政策を立案している)によって提案されたベネズエラ政府の変更のために取り得る選択肢は、コロンビアやブラジルのような近隣諸国を使ってOASから外交的に圧力をかけて孤立を深めさせ、中国とロシアにベネズエラ政府の支持から手を引くように要求するために、チャベス主義者の重要な指導者に対する制裁を強化することである。

 トランプ政権は、ベネズエラでのクーデターを支援する政治的ルートとして、このCFR提案の多くを実行した。ベネズエラの副大統領タレク・エル・アイサミに対する制裁、OASを通じた国務省の圧力と最高裁に対する制裁は、これを実行したサインである。あるいは、少なくとも、CFRが実際にホワイトハウスの決定に影響を与えている。またCFRは、エクソンモービルが資金援助している。

 

【PDVSAに対する制裁の脅し】

 6月4日、日曜日、ロイターは、国有石油部門に対して評価された制裁に関して、ホワイトハウス高官筋からのコメントをリークした。

 ロイターによれば、ドナルド・トランプ大統領の協力者たちは、「必要ならば」、ベネズエラの石油部門を制裁する提案書を提示するように求められたということである。

 ベネズエラの外貨収入の95%がPDVSAからのものであることを考えれば、対外債務支払いと食料や医薬品の重要な資源であり、石油の輸出禁止の可能性、あるいはそうでなくても、合衆国への石油輸出と海外の会社の投資(合衆国での稼働ライセンスを停止させることで脅す)を阻む制裁は、重要な収入源を麻痺させることによって、ベネズエラ政府の経済回復計画と一般の国民への厳しい打撃となる。

 

 合衆国にとって政治的に犠牲の大きい処置(あらゆる取り組みがベネズエラ国民のより良い生活のためであると大衆を納得させるように努力する)であり、中期的には、実施したことによる反対の効果として、現在のところ、PDVSAの輸出先の60%である、中国とインドへの石油販売がずっと増えるのではないかと考えられる。

 ベネズエラの反対派の動員能力が、燃え尽きつつある兆候を示しており、路上での暴力が、国内あるいは国際的なコミュニティの前で政治的勝利には役立たなくなってきた時に、これらの脅しがリークされたのは偶然ではない。もし、この政治的後退のサイクルが拡大するならば、エクソンモービルは、単独で行動を起こすように圧力がかかる。結局、彼らはサーカスの所有者であり、浪費するつもりのない資源に投資したことになった。

 

【結び(進行中)】

 4月初めの『デイリー・ビースト』による報告によれば、エクソンモービルとシェルの最高責任者たちは、世界最大の油田の私有化プロジェクトを始めるために、ニコラス・マドゥ―ロが退陣することを願って、ワシントンで会談した。ロイターのリークが、これらの会談やそこで為された決定と関係があることはありそうである。

 ベネズエラに対するクーデターは、ベネズエラ反対派によって決定されたものではなく、地球上最大の石油会社によって決められたものである。すなわち、フレディ・ゲバラやユリオ・ボルゲスのような者たちの行動の枠組みは、彼らに従属した条件に限定されている。

 もし、代理人による介入が失敗したとしたら、強力な地位と合衆国の影響のある分野を使った直接的な介入(経済的金融的な規模で)は、より見えにくい。

 実際に戦略の多くを実行しているこの石油会社は、ベネズエラに対する合衆国の外交政策として、その政治的、経済的利益を押し付けるために、議会での影響力とロビー会社を使って、合衆国の国務省、右翼の下院と上院議員の束(ドナルド・トランプを含めて)を抱えている。

 ベネズエラでは、政治権力が議論されているだけでなく、高度に好戦的な政治環境の枠内で、新しい政治的、財政的そして大陸と地球的規模でのエネルギーの地理学の組織化が議論されている。ベネズエラの落ち込みは、エクソンモービルにとっては、ロシアと中国から距離を取らせるための地政学的な重要性を議論するために基本的なものであり、そして、地球上、最大の天然エネルギー資源を持つ地域を支配しようとしている。

 現在直面していることを理解するためには、誰が敵であるかを見極めることが重要である。

 

 この記事は、『Mision Verdad』に最初に発表された。William Serafinoは、ベネズエラ人のジャーナリスト。(N)

原文URL

http://www.telesurtv.net/english/opinion/Route-of-Coup-Against-Venezuela-Begins-at-ExxonMobil--20170607-0040.html

コメント
何年もの歳月で培ってきた国民主義?ともいいたい政治も、圧倒的な強欲資本主義に転覆を謀られ、なんども闘いを強いられる。NHKは原油の低下が混乱の原因、大統領は要求運動を弾圧している、と「公報」したが、米国の石油資本の陰謀であることは、まったく想像がついていたことだった。
  • 戸舘あき子
  • 2017/06/21 8:47 PM
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趣旨

今、ラテン・アメリカでキューバを先頭とする社会主義、ないし社会主義を志向する大衆闘争が注目です。特に、昨年末(2015年)アルゼンチン、ベネズエラで右翼が勝利し、米国に支援された反動右翼と進歩的な人民大衆との熾烈な階級闘争が繰り広げられています。日本のマスコミは歪められたものしか報道していません。 だからこそ今、目の前で闘われている大衆闘争について現地の報道機関やブログで報道されているものを日本語にして日本の労働者に紹介していくことは、国際連帯としても日本での民主主義を闘いとる闘争にとっても有意義なことであるように思います。

おことわり

このブログでは英文記事を翻訳してご紹介しておりますが、筆者はかなずしも英語に堪能であるわけではありません。 従って、多々誤訳等があるかと思いますが、ご容赦願います。

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