ブラジル:15万人が『ブラジリア占拠』でテメルを追い詰める
- 2017.05.26 Friday
- 11:14
ミシェル・テメル大統領とこの国に打撃を与えている最新の汚職スキャンダルに対する抗議で、燃えるタイヤの傍を走るデモ参加者。ブラジリアで。|写真:Reuters
警察勢力に兵士を派遣することを含む、ブラジリアでの大規模な抗議行動に対する軍事制圧のために発行された命令は、1週間続くことが予想されていた。
ブラジル政府は、木曜日、汚職まみれで不人気な新自由主義緊縮政策を執っている、選挙で選ばれていないミシェル・テメル大統領に対する大規模な抗議行動を鎮圧するために、ブラジリアに軍隊を配備する大統領命令を取り消した。
政府は、大衆的な反乱を弾圧するために、水曜日に兵士を配備した。テメルの辞任と予定されている2018年の投票以前に、新しい大統領を選択する選挙を早く実施しろという要求を掲げて、首都の街頭に溢れている数万人のデモ隊の統制を機動隊が行うことが不可能だと、政府は主張していた。オルガナイザは、300万人の都市を大衆が埋め尽くす、「ブラジリア占拠」の旗の下に参加するデモ隊は15万人になると見積もっていた。
軍隊を呼び込むこの命令は、野党議員が水曜日に抗議行動に参加するために議会を退席し、テメルの反対派だけでなく、彼の仲間からも厳しく批判された。デモ隊に対して、警察と軍隊が唐辛子スプレイ、催涙ガス、ゴム弾と警棒を使ったので、抗議行動中に発生した衝突で、約50人が怪我をした。その命令はまた、兵士に秩序維持権限と逮捕権限を与えていた。
ブラジルの『フォルハ・デ・サンパウロ』紙によれば、アドバイザーは、テメルがその命令を通告する前に、その指示は、テメルの評価に否定的な影響を与えるかもしれないと、彼に警告していた。テメルの評価は、広まった政府の汚職と彼の強引な緊縮政策の執行によって、既に色あせている。
テメル政権に対する最新の抗議行動は、一般的に議会クーデターだと非難されている、昨年のディルマ・ルセフ元大統領の罷免と共に開始され、テメルが汚職捜査の有力な証言をしないように賄賂を渡していたことを認めていたという盗聴記録が暴露された結果、この政府に打撃を与える最も深刻なスキャンダルのすぐ後に始まった。
テメルは、悪事を証明する盗聴によって、汚職捜査と正義という障害物に直面している。
大統領は、『フォルハ・デ・サンパウロ』とのインタビューで、「私は辞任しない、そうしたいのなら私を追放しろ」と答えて、スキャンダルを巡っては退任するつもりはないと、明言していた。
全く人気のないテメル政権はまた、一連の問題となっている緊縮政策で多くの大衆の怒りに火を点けた。その政策には、20年間の公共支出の凍結、教育、医療、年金労働法など、多くの社会保障を巻戻すことによって、貧困者や周辺に追いやられたブラジル国民に打撃を与えることが予想される改革が含まれている。(N)
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