プエルトリコ:2003年にビエケス島から米海軍基地を追い出した闘い

  • 2017.05.07 Sunday
  • 05:40

ビエケスの闘いの指導者へのテレスールのインタビュー記事です。


ビエケスを思い出そう:21世紀の反植民地闘争の勝利

(Remembering Vieques: Anti-Colonial Victory in the 21st Century)

2017年4月24日 teleSUR(By: Rebeca Toledo)発

 

ビエケスの住民であり、活動家であるイスマエル・グアダルーペに、プエルトリコの現状と米帝国主義に対する歴史的闘いについて、テレスールが話を聞いた。

イスマエル・グアダルーペは、プエルトリコのビエケスから合衆国海軍を追い出した闘争の指導者だった。この運動に使われた戦術によって、合衆国海軍が、この小さな島の軍事基地の閉鎖を余儀なくされ、爆弾の試験を含む、すべての演習と訓練を止めた2003年の歴史的な勝利に導いた。

 

【ビエケスの合衆国海軍に対する闘いは、植民地としてのプエルトリコのステータスの素晴らしい実例です。ビエケスが植民地主義に対してどのように勝利したか、お話いただけませんか?】

 

イスマエル・グアダルーペ:合衆国海軍が、プエルトリコの最も良い土地を取り上げてから数年後、プエルトリコの最も重要な民族主義者、ペドロ・アルビス・カンポス教授がビエケス島の破壊が進んでいることを非難した。彼は、我が民族の分断としてそれを表現した。民族主義が最も迫害され、恐れることなく帝国の攻撃と闘った活動家が殺されるという最悪の時期にあった。そして、ビエケスで起きたことを、表舞台へ乗せたのがアルビス・カンポスだった。

 当初は、アルビス主義者の最初の支持者たちが、帝国主義に対して運動のスローガンを掲げて闘った。我々は、拡大しなかった。我々は、団結していなかった。我々の要求が小さなセクタに理解されてはいたが、我々は孤立したままだった。

 1964年、19歳の青年だった時、私は、ビエケスから土地を奪い続けようとする海軍に反対する抗議に参加した。大学生が抗議のデモを組織したが、その時、彼らが使っていたメッセージは、伝統的な反米スローガンではなかった。

 これらの新しいスローガンは、合衆国と同盟しているグループとの同盟に扉を開いた。後で、他の組織が、これらのスローガンは、我々を分裂さ、我々を人民から分離するものだと抗議してきた。プエルトリコの社会主義党とそのビエケス委員会は、我々の要求について一緒に活動するために我々に扉を開いてくれた。

 

当初、中心的な要求は、軍事演習の影響に反対するものだった。これは、後に、4Dとして知られる要求セットを一体化した『ビエケスの救出と発展のための委員会』の創設へと成長した。すなわち、非軍事化(demilitarization)、汚染除去(decontamination)、発展(development)と土地の返却(the return of lands)である。これらの要求と新しい闘争戦略を掲げて、我々は拡大し、影響を与え、海軍を閉鎖することができた。他国に対する将来の攻撃のために、訓練し、爆弾を試験しているその基地を閉鎖しなければならなかった。

 

【ビエケス運動は、多くの組織、政党とプエルトリコの著名人との統一を達成しました。リーダーの一人として、この達成がどんなに難しいことか、このレベルの統一をどうやって成し遂げられたかお話いただけますか?】

 

イスマエル・グアダルーペ:別の時代には、闘争は、別のリーダーと別の組織によって指導されてきた。広いスパンの民主的で参加型の闘争として、我々は、一人の個人の決心が、残りの人の決心を支配するといった、リーダーの歪められた姿を捨てた。このことが、海軍基地に対するユニークな闘争の戦略へと繋がった。

 そのような新しい組織がビエケスに生まれた。すなわち、ビエケスやプエルトリコ本土からの新しいリーダーに持ち込まれる幅広い闘争の展望を持つ『ビエケスの救出と発展のための委員会』である。

 ビエケスの外部で作られたこの委員会には、様々なセクタを統一するための戦略を持つメンバーがいた。それは委員会がいかにして闘争にビジョンを与えるのか。様々なイデオロギーを持つ広範な組織が、委員会に参加した。

 1999年4月19日、海軍基地で労働していた若い男(デイビッド・セインス)が、治安部隊にいた時に爆弾が爆発して死んだ時、ビエケスの住民は、ゾッとした。

 CPRDは、住民を団結させ、その日の午後、一緒に、ガルシア・キャンプの軍事施設の玄関で抗議を行った。翌日、CPRDは、市庁ホール前に集まるように住民に呼びかけた。そして、これが、闘争の新しい段階の始まりとなった。我々は、委員会のメンバーの一人が、海の近くの一角に入り、そこを乗っ取ろうとし、それに続いた数十人の参加者の行動によって提案された、市民の不服従抗議を組織することを決めた。

 この行動は、プエルトリコとすべての政党、教会、労働組合、協同組合、ビエケス支持をやかましく叫んでいた協会などの組織に衝撃を与えた。

 

 この戦術の勝利は、変化に適応する能力をフル回転させていたリーダーシップに休息を与えた。それは、非暴力で、言葉によらない、肉体を使わないが、常に確個として後退しない戦略を用いた。

 9月11日、合衆国への攻撃が発生した時、CPRDは、その行動の一時停止を呼びかけた。これはCPRDの信頼に傷をつけるのではないかと思って、呼びかけを無視する組織もあったが、住民は支持した。一時停止が撤回されてからは、海軍が、射撃対象として我々の島を利用することを止めるまで、我々は闘いを続けた。

 

【ビエケスは、色々な国々、組織、政党、議員から夥しい世界的な支援を勝ち取りました。どうやって、非常に多くの支援を得ることができたかを話していただけますか?】

 

イスマエル・ウアダルーペ:数十年の間、海軍は、世界の目からビエケスの状況を隠すことに成功していた。ビエケスで行って来た違反行為を隠しておくことは、当然の合衆国の利益だった。すなわち、軍事行動が原因で市民が亡くなっていること、戦闘機が飛行する恐怖、爆弾を積んで住民の上を飛行すること、爆弾で家屋が揺さぶられる続けること、爆弾を保管する貯蔵庫を作るためにブルドーザーが家屋を破壊していること。この現実を知らせる活動を拡大していくことが、連帯の醸成に役立った。

 我々の社会フォーラムへの参加、国連非植民地委員会、インド、沖縄、韓国、パレスチナの訪問が、軍事基地に反対する闘いに、より幅広い奥行を与えてくれた。合衆国の有名な政治家の参加もまた、重要な役割を果たした。俳優のエドワード・ジェイムスと環境活動家ロバート・ケネディのように、数えきれないほどの人物が、この闘争に支持を公然と表明してくれた。この二人は共に、市民の不服従行動に加わり、ビエケスで逮捕された。リッキー・マーチンなどの有名人による呼びかけが、ビエケスで何が起きているかを、最終的に見られるようにした。

 それが、この闘いを作ったプエルトリコとニューヨークの全国委員会だけでなく、ビエケスのCPDRの運動の方向だった。

 疑いもなく、ビエケスを支持する国連でのキューバとベネズエラの活動もまた、大きな違いを作り出した。もはや我々の声だけではなくなった。

 

【ビエケスの勝利の後、この島の今日について伝えられることは、どんなことでしょうか?住民、環境、生活スタイルは良くなりましたか?合衆国は、あなた方の要求に従ってくれましたか?】

 

イスマエル・グアダルーペ:14年前、2003年の5月1日、合衆国海軍が、ビエケスでの反対闘争に対応して、基地を閉鎖することを選択した。今では、我々の海は、自由です。漁師は、銃撃の心配をしないで魚を取ることができるし、彼らの漁具が軍艦に壊されることは無くなった。

 今では、我々は、上空を飛ぶ航空機を見ないし、爆弾を積んでいるために大きな心配をさせた大きな音も聞こえなくなった。酔っ払った兵士の暴言や、ビエケスで度々死者を出していた市民とのけんかは、もう過去の事である。

 我々が戦争の現場に住んでいたのは、過去の事である。我々はもはや、他国を攻撃する共犯者ではない。帝国主義的侵犯を認めない国々への侵略訓練はもうない。今では、このシナリオは消えてしまった。

 しかし、全体的な正義はまだない。合衆国は、我々の要求すべてに応じているわけではない。すなわち、ビエケスの汚染除去、我が島の返還と全面的な発展。実際、地元政府は、ビエケスのことを忘れている。この汚染を原因とする病気は、汚染が残っている以上、心配な状態である。

 我々は、環境を清浄化する方法に疑問を持っている。地上にある爆弾を爆発させたり、開けて燃やしたりすれば、汚染を拡大し、資源を破壊する。別の所では、毒が広がるのを防ぐために、中で爆弾を爆発させる爆発用の箱を使用している。

 海軍が基地としてのビエケスを利用するのを止めてから、数百人のビエケスの住民が亡くなった。海軍は、この土地の半分以上を持ち続けた。ビエケスは、植民地政府の承諾を得て、合衆国の資本によってほとんど侵略されて、周辺へと追いやられた。海軍は、我々のビーチと資源を奪取した。

 

【植民地主義に反対する国際デーにとって、プエルトリコが世界で最後の植民地の一つであることを知っています。今、合衆国がこの国に押し付けている財政管理と運営委員会があり、これがプエルトリコの植民地的状況となっているもう一つの実例について話してください。】

 

イスマエル・グアダルーペ:プエルトリコのいくつかの植民地政府によって作られたこの財政的危機は、合衆国議会が、本当の権力がどこにあるかを示す絶好の機会だった。

 合衆国に媚びる二つの政党の承認で、議会はPROMESA法を通過させた。この法律は、今度は、国民としての我々の生活の様々な側面を決定する財政管理委員会を承認するというものである。管理者たちの役割が、我々国民の生活に影響を与える政策を実施することになる。

 この委員会が取り得る決定は、数百万ドルを所有している公債保有者に支払いを約束することを狙いとするものである。反労働者法のような法律の通過は、労働者階級の成果を奪い去るものであり、適切な賃金、休日、ボーナスとすでに求められている賃上げなどの利益を損なうものである。

 ほぼ11の大学で学生がストライキを続けているという一つの事例は、大学からの約45万US$の削除が原因である。大学生が、労働組合組織、左翼や中心にいる人たちと一緒に、闘いに参加していることは間違いない。

 植民地政府は、かつてないほどに、合衆国議会に従属させられる。植民地であるというこの法律は、植民地であることを我々に見せるが故に、政治的よりも経済的危機に対する代替え政策を見出す機会を与えてくれない。

 

【最後に、何か付け加えたいことがありますか?】

 

イスマエル・グアダルーペ:プエルトリコが経験した植民地の状態は、ビエケスやクレブラだけでなくプエルトリコ全土に対して、この土地と空を、合衆国の戦争アドベンチャーの一部へと転換することによって、軍事的乱用を許してきた。

 現に行われている戦争のやり方が変われば、軍事施設の使用は変わった。あたらしい技術の利用は、伝統的な戦争を陳腐化し、他の方法へと変わった。

 それでもなお、島の利用は、まだ、新しい兵器の試験のために軍産複合体によって必要とされている。

 1950年代に、元大統領アイゼンハワーが言ったように、戦争は、今日では、軍事施設によって決まる。新しい兵器に、労働者階級は自分たちの子供たちを差し出し、金持ちは投資をする。合衆国議会に上院議員と代議員を入れる人たちがいる。

 兵器の強化を止めさせる植民地の闘いは、本当の力は我々の手にはないということから、困難を伴う。韓国や日本のような国々は独立しているが、指導者たちが買収されているため、その政府は合衆国の前に従順である。だから、他の国々は、真の独立を達成するために闘わなければならない。

 どこであろうと、合衆国の土の上であろうと、これらの闘争は、世界をコントロールしている権力者が誰であるかの覚醒を高める。

 プエルトリコという植民地で、この点で多くの事を成し遂げた。我々は、軍事乱用に直面したビエケスの住民に連帯を表明してくれた様々なセクタから多くの支援を受けた。軍事施設を根絶しようという取り組みの中で、我々は、新しい世界、新しい平和のために闘っている。(N)

原文URL:

http://www.telesurtv.net/english/opinion/Remembering-Vieques-Anti-Colonial-Victory-in-the-21st-Century-20170421-0016.html

コメント
ビエケスが沖縄と重なりました。確かに日本と沖縄は植民地ではないが彼の言う通り日本の政府は合衆国に「買収」されています。真の独立を勝ち取るようにとの彼の言葉にあらためてわたしたちの置かれた位置を確認した思いです。
  • 戸舘あき子
  • 2017/05/08 3:03 PM
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趣旨

今、ラテン・アメリカでキューバを先頭とする社会主義、ないし社会主義を志向する大衆闘争が注目です。特に、昨年末(2015年)アルゼンチン、ベネズエラで右翼が勝利し、米国に支援された反動右翼と進歩的な人民大衆との熾烈な階級闘争が繰り広げられています。日本のマスコミは歪められたものしか報道していません。 だからこそ今、目の前で闘われている大衆闘争について現地の報道機関やブログで報道されているものを日本語にして日本の労働者に紹介していくことは、国際連帯としても日本での民主主義を闘いとる闘争にとっても有意義なことであるように思います。

おことわり

このブログでは英文記事を翻訳してご紹介しておりますが、筆者はかなずしも英語に堪能であるわけではありません。 従って、多々誤訳等があるかと思いますが、ご容赦願います。

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