「人道主義」は帝国主義による侵略と破壊の道具

  • 2016.12.16 Friday
  • 05:18

12月10日は、世界人権デー。コソボ、リビア、ウクライナ、シリアなど、最近20年の合衆国と同盟帝国主義による侵略と破壊は、「政府が国民を弾圧している。虐殺している。」といった証拠を示すことの無いあやふやな「人権組織」の報告を基にして行って来た。人権イデオロギーが左翼をつぶしてしまったというインタビューです。


人権諸団体は、どんなふうに戦争を売っているのか

(How Human Rights Sell War)

2016年12月7日 teleSUR(By: Daniel Bey)

Amnesty International campaign poster issued during the U.S. invasion of Afghanistan.

合衆国がアフガニスタンへ侵略している時に貼られたアムネスティ・インターナショナルのキャンペーン・ポスター|写真:Links

 

テレスールは、産業と人権団体のイデオロギーが、どんな風に帝国主義を正当化し、ヨーロッパと北アメリカの左翼を弱体化することに使われてきたのか、について著者ジーン・ブリックモントに話を聞いた。

 

【テレスール】

あなたの著作「人道主義的帝国主義:人権組織を利用して戦争を売り込む」が、合衆国とイギリスによるイラク侵略の後、2006年にイギリスで発売されました。その著作を読んでいない人のために、簡単に、内容と論点について要点を説明していただけますか?また、そもそも、それを書こうとしたきっかけは何だったのか教えてください。

 

【ジーン・ブリックモント】

少なくとも、ベルギーとフランスで戦争に対する反対が無かったのは、コソボ戦争に遡ります。実際、それは「人権」のための戦争であって、我々は「虐殺を止めさせなければならない」と言う理由で、左翼や極左にその戦争に対する幅広い共通認識がありました。国民が、制裁と戦争につながるすべてのことを容認したことから、イラク戦争に対する反対運動は、実際まったく弱かったのですが、少なくとも戦争に対する一定の反対運動は存在していました。しかし、リビア戦争には、話すほどの反対運動は全くありませんでしたし、シリアとウクライナへの介入は間接的な支援でした。左翼が、世界における国家間の力関係についてのすべての観念を全体的に喪失してしまったので、彼らは完全にその感覚を失ってしまった、と私は考えています。もちろん、このことは市場の自由主義イデオロギーと一緒に進行しています。すなわち、あらゆる人が市場へ行き、あらゆる人が市場で競争し、すべての国が平等で、そして、人権の強化を進める警官であると自称している超大国が存在しています。そして、人権イデオロギーは、人権が目的と言うだけでなく、西側がいつも介入し、人権組織がいつも糾弾するイデオロギーであり、このイデオロギーは、全体として西側の左翼を含む西側を一掃してしまった。右翼よりもむしろ左翼がやられてしまったかもしれない。右翼においては、現実政治で民族的利害を考えている人々は、まだ存在している。今日では、右翼は、誰に対しても戦争を仕掛ける連中よりも悪魔的な要素がより少ない、と私は考えています。

 

【テレスール】

12月10日は、1948年の国連総会での世界人権宣言の採択を記念する世界人権デーです。20世紀と21世紀の人権の歴史を簡単に示していただけませんか。そして、あなたの見解として、何が悪くなってきたのか教えてください。

 

【ジーン・ブリックモント】

人権宣言は、立派な目標であることは明らかです。教育を受ける権利があり、食料やその他いろいろの権利があります。しかし、私が飢えていると想定しましょう。どのように、私はこれらの権利を実行しようとするのでしょうか?それらの権利を実行する権力を持っている国家の内部でしか実行できないという理由で、それらの権利は実現できないのです。警察を必要とし、裁判所を必要とし、その他の同様の権力を必要とするのです。その問題のほとんどが、1960年代以降に起きています。そのことが真実である以前に、国家権力に対する配慮があまりにも極端すぎて、その結果、人々が国家権力に対して抵抗することが必要だと考えている理由は分かっていますが、その問題は、平和に対する願望が決して具現化しないことにあるのです。人権宣言は、ニュルンベルグ裁判や国連の原則や憲章と同時期に導入されました。国連憲章は、また、我々が大きくても小さくても、強くても弱くてもすべての国家に対して平等に尊敬を持つと見なしている点で、平和を維持するためには重要な文書です。

 しかしながら、人権イデオロギーは、弱い国の主権を弱体化したり、介入を正当化するために組織的な方法で使われてきました。介入はいつも存在し、第2次世界大戦の原因の一つでもありました。戦争の後に国連憲章が作成された理由の一つが、そのような出来事を繰り返させないことでしたが、今我々は、リビア、シリアとウクライナで大混乱を見ていますし、至る所で大混乱を見ています。それから、避難民がいて、避難民に対する外国人嫌いの反動的な保守主義がありますが、あなたはどのように予想しますか?全体的として戦争を通じて人権が実現されうると考えることは非現実的であるとまったく同じように、数百万人の避難民を歓迎することも、抗議しないことを予想することも非現実的です。結局、戦争は人間にとっての最悪の事態を前面に持ってきます。誰の保護責任かを問わなくても、我々には保護責任があります。もちろん、保護は合衆国が行うのですが、合衆国は、我々が歴史的に見てきたような善意のある大国ではありません。合衆国は、自分自身のアジェンダを持っていますし、自分の敵とみなした国々に対しては戦争を仕掛けます。合衆国は、パレスチナを保護するつもりはありませんし、イエメンを保護するつもりもありませんし、サウジアラビアへ仲介するつもりもありません。そこで、我々が、合衆国が適当と考えてそれを利用する、絶対的主権者に権力を与えるのです。これは、全体的な人権の破壊です。もちろん、私は、実際に実行された方法としてではなく、一つの考えとしてそれを尊重します。そこには、ヒューマン・ライツ・ウォッチやアムネスティ・インターナショナルが含まれていますし、彼らは皆、信じられないように偏った人権侵害の非難を行って来たのです。

 

【テレスール】

左翼、合衆国、フランスやイギリスのような帝国主義政府、国連自身はもちろんアムネスティ・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウォッチのような人権組織との関係についてお尋ねしたいと思います。これらのそれぞれの主体間の関係はどうなのですか?

 

【ジーン・ブリックモント】

ソビエト連邦の崩壊と最終的なソビエト・ブロックの崩壊と共に、左翼は結集するために聖なる幽霊が必要となり、社会主義の代わりに人権を選択しました。人権は、冷戦の期間には共産主義に反対する右翼が結集するスローガンとしていつも使われていたという問題がありました。この人権イデオロギーが、疑わしいものであると認識するのに共産主義者である必要はありません。人権イデオロギーを抱え込むことによって、彼らは、自分でなくなるのではなく、自分が破壊されると考えました。右翼は、イデオロギー的に使用するやり方に満足でした。彼らは、いつもこのような2重基準を取っていました。ソビエト連邦の崩壊とともに起きたことは、チョムスキーが希望を寄せている人々としての本物の左翼の誕生ではなく、全体としての降伏であり、敵の理念の取り込みでした。今や、我々は、左翼と右翼の間に形だけの区別、例えば、右翼らしくないグレイな右翼といった区別を持っているに過ぎません。しかし、戦争、平和、市場と経済となると、新自由主義にとって代わる選択肢においてすら、どんな首尾一貫した思想も無いのです。(N)

原文URL:

http://www.telesurtv.net/english/opinion/How-Human-Rights-Sell-War-20151210-0045.html

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趣旨

今、ラテンアメリカでキューバを先頭とする社会主義、ないし社会主義を志向する大衆闘争が注目です。特に、昨年末(2015年)アルゼンチン、ベネズエラで右翼が勝利し、米国に支援された反動右翼と進歩的な人民大衆との熾烈な階級闘争が繰り広げられています。日本のマスコミは歪められたものしか報道していません。 だからこそ今、目の前で闘われている大衆闘争について現地の報道機関やブログで報道されているものを日本語にして日本の労働者に紹介していくことは、国際連帯としても日本での民主主義を闘いとる闘争にとっても有意義なことであるように思います。

おことわり

このブログでは英文記事を翻訳してご紹介しておりますが、筆者はかなずしも英語に堪能であるわけではありません。 従って、多々誤訳等があるかと思いますが、ご容赦願います。

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