ベネズエラ:グアイドおよび失敗したテロ襲撃後について

  • 2020.05.19 Tuesday
  • 06:01

コードピンクのレオナルド・フローレスの見方を紹介します。


ベネズエラの失敗した侵入がグアイドを復活どころか傷んだままにした

Botched Infiltration of Venezuela Leaves Guaidó Tainted Beyond Repair

2020年5月17日 venezuelanalysis(By Leonardo Flores - Common Dreams)発

アナリストであるレオナルド・フローレスが野党のつい最近のクーデター未遂の様々な部分を検討する。

The people of Chuao, who helped detain one of the armed groups, were awarded a symbolic replica of Bolivar's sword. (Vice Presidencia)

武装グループの逮捕に協力したチュアオの人々に象徴的なボリバルの剣のレプリカが与えられた。|写真:(Vice Presidencia)

 

 ベネズエラ政府を打倒しようとする進行中の取り組みの最終章はできの悪いスパイ・スリラー小説を読んでいるかのようである。傭兵のグループがコロンビアからベネズエラへスピードボートを操縦する。彼らの半数は上陸直後にベネズエラ治安部隊によって殺され、あるいは逮捕された。残りの半分は、明らかにボートのメカニカルなトラブルで出遅れたが、翌日地元警察と市民軍に降伏した。これまで元特殊部隊の米国人2人を含む31人のアタッカーが逮捕された。彼らの計画はニコラス・マドゥーロ大統領を含む高官を拘束あるいは殺害することだった。それは惨めな失敗に終わり、野党の指導的な人物ファン・グアイドに関して一層の懸念が高まってきた。

 

【グアイドの狡猾な契約】

 

 この攻撃に関する情報は漏れ続けているが、グアイドが関与した圧倒的な証拠が存在している。複数の情報筋によれば、まだ支払いは済んでいないが、グアイドはマドゥーロ大統領を打倒するためにグドローの民間警備会社に代わって、元グリーンベレーのジョーダン・グドローとの2憶1200万US$の契約を結んだ。これは、麻薬密売で起訴された後、米国麻薬取締局の監督下に降伏した、野党の同盟者でベネズエラの退役将軍クリバー・アルカラによる告発を補強したものだ。グアイドとグドローが署名入りのサービス全体の契約書のコピーがオンラインで流出し、ワシントンポストが、グアイドが契約に「署名しようとしているところだ」と話しているビデオ通話のニュースを報道した。さらに、襲撃に参加したベネズエラ人の中にはグアイドとつながりのある者がおり、2019年4月30日のクーデター未遂に参加した少なくとも2人が含まれている。

 この契約の結果から生まれた民兵組織部隊は、80年代にエルサルバドル・ニカラグア・グアテマラで活動した死の部隊とよく似ていると説明されている。これは誇張ではない。この契約では、用語を定義することなく、軍事標的として明確にコレクティボを特定している。この言葉の曖昧さはこの民兵組織に反抗するものは誰でもコレクティボの一部として分類可能であることを示唆している。

 グアイドの『人民の意志』党の創設者で指導者であるレオポルド・ロペスが最近、スペインの最も重要な新聞『エル・パイス』に意見書を書いている。その中でチャベス主義はCOVID-19のようなウイルスだとほのめかしている。この種の言い回しがこの契約にどのように影響を与えたかを理解することは難しくない。契約書の添付文書Bの11ページには、外務省、計画省、青少年省などの機関に勤めている特定の市民を致死的な対象とする作戦の「現場指揮官」を認めている。場合によっては2次的な損傷が起きても構わない。メッセージは明確である。チャベス主義者に近い者は誰であっても犠牲にしても構わないと見なしている。

 

【米国の役割】

 

 ベネズエラ政府は、コロンビアの情報源からの情報提供を受けて襲撃を阻止できたようなのだが、米国が関与していると非難した。トランプ政権は関与を否定しているが、その点では疑う正当な理由がある。米国国務長官ポンペオはその作戦を「誰がバンクロール」したか知っている可能性を残したまま、「事件について我々が知っているこれ以上の情報を共有することを」を拒否した。さらにAP通信は、コロンビアへ武器を密売するグドローの計画をDEAが国土安全保障省に通告していたと報じている。グドローは、トランプ大統領の永年のボディガードで補佐官であるキース・シラーと二度会っており、2018年のトランプの選挙集会では警備を務めた。さらにウォールストリート・ジャーナルはCIAがこの計画を知っていたと報道している。

 この計画はマドゥーロ大統領を誘拐し、空港を支配して彼を米国へ連れて帰り、表向きは財務省が提供する1500ドルの懸賞金を獲得することが含まれていた。傭兵が成功した場合、ベネズエラの海上境界線に米国海軍を待機させているトランプ政権がマドゥーロ大統領を捕獲し損ねるとは信じがたい。

しかし、米国政府がこの特定の襲撃に関与していたかどうかに関係なく、トランプ政権は2019年4月30日以来、公然と直接ベネズエラでの暴力的な体制転覆を支援してきた。その日は、カラカスの空軍基地を乗っ取ろうとして、グアイドが軍事蜂起に失敗した日である。その日僅かでも違うことが起きていたならば、ベネズエラは内戦になっていたかもしれない。グアイドには当時の責任があったし、今でも責任がある。さらに、彼はワシントンで教育され、ワシントンのために「大統領」を自称し、彼には超党派の政治的支援があり、米国の納税者から資金を受け取っている。グアイドの関与を考えれば、ワシントンがその陰謀の手を洗うことは不可能だ。トランプ政権には彼に僅かばかりの権力を与えた責任があり、したがって彼の行動に責任がある。

 

【拡大する責任】

 

 グアイドは事件については何も知らないと否定し、トランプ政権の責任であることを証明している。グアイドと友好を確認しあったと主張している麻薬カルテルのメンバーと一緒にグアイドが写真に収まっている。彼のチームはコロンビアで開かれた「人道援助」コンサートで集められた資金を横領した。僅か数十人の兵士だったので、世界中から笑いものになった2019年4月の失敗に終わった蜂起を彼は指揮した。以前に凍結されたシティバンクの口座にあるベネズエラの資金を使って彼の同僚に毎月5,000ドルを支払っているが、COVID-19と闘っているベネズエラの医師と看護師に100ドル送ると約束したもののまだ果たしていない。彼は今、信頼できる告発と武器の密売、テロ計画の資金提供とベネズエラでの大虐殺の可能性のある計画に関与した証拠に直面している。

 

 二人の米国人の逮捕は、トランプとマドゥーロ政権の争点となる可能性があるので、政治的な景色を変えるかもしれない。ポンペオ国務長官は二人の米国人を救出するために米国は「あらゆるツールを使用する」と述べたが、これまでトランプ政権がベネズエラに関してこれまで使っていないツールはただ一つ、対話である。最良のケースのシナリオは両政府間の直接対話を始める取引の一つとして二人を米国に引き渡すことである。最悪のケースのシナリオは、トランプ政権が彼らを人質として認識し、軍事行動で報復することである。

 賢明な政治家はこの出来事をベネズエラ国内およびベネズエラと米国間の対話を促進する触媒として使うことができるかもしれない。元国家首脳などを含むラテンアメリカの進歩的な政治家のブロックであるプエブラ・グループはまさにそれを実行し、軍事行動は「ラテンアメリカ全体の地政学的な不安定」につながると警告し、紛争の「民主的対話と平和的な解決」を求める声明を発表した。

 米国では、その戦略や目的には言及していないが、トランプ政権の戦術に疑問を呈した上院議員クリス・マーフィー、トム・ウダールとティム・ケインを除いて、民主党はこの事件に関してほぼ完全に沈黙している。グアイドが代表する責任を利用し、トランプの政権転覆の取り組みに反対することを民主党が始めない限り、11月の大統領選挙で誰が勝利しようが関係なく、米国―ベネズエラ関係の改善にはあまり期待できないようだ。

 

レオナルド・フローレスはベネズエラ系アメリカ人で、平和グループ、コードピンクのために活動している。

オリジナルはCommon Dreams。

原文URL:

https://venezuelanalysis.com/analysis/14875

 

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趣旨

今、ラテンアメリカでキューバを先頭とする社会主義、ないし社会主義を志向する大衆闘争が注目です。特に、昨年末(2015年)アルゼンチン、ベネズエラで右翼が勝利し、米国に支援された反動右翼と進歩的な人民大衆との熾烈な階級闘争が繰り広げられています。日本のマスコミは歪められたものしか報道していません。 だからこそ今、目の前で闘われている大衆闘争について現地の報道機関やブログで報道されているものを日本語にして日本の労働者に紹介していくことは、国際連帯としても日本での民主主義を闘いとる闘争にとっても有意義なことであるように思います。

おことわり

このブログでは英文記事を翻訳してご紹介しておりますが、筆者はかなずしも英語に堪能であるわけではありません。 従って、多々誤訳等があるかと思いますが、ご容赦願います。

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