ベネズエラ:作家ルイス・ブリット・ガルシアとの対話

  • 2020.03.24 Tuesday
  • 05:04

ベネズエラアナリシスの対話シリーズです。


ボリバル革命における知識人の役割:ルイス・ブリット・ガルシアとの対話

The Role of Intellectuals in the Bolivarian Revolution: A Conversation with Luis Britto Garcia

2020年3月20日 venezuelanalysis(By Cira Pascual Marquina)発

 

ベネズエラで最も高く評価されている現代作家がボリバル革命と文化生産者との弁証法的関係を語る。

Luis Britto García. (Venezuelanalysis)

ルイス・ブリット・ガルシア。|写真:(Venezuelanalysis)

 

 ルイス・ブリット・ガルシアはおそらくベネズエラで最も高く評価されている現代作家である。彼は最近『人間性を守る知識人と芸術家ネットワーク』ベネズエラ支部のとりまとめ役に指名された。ボリバル革命の確固たる支持者である彼は、定期的な政治的解説に加えて、数多くの戯曲・小説・歴史的作品や映画の脚本を書いてきた。

 このVAのインタビューで、ブリット・ガルシアはボリバル革命における知識人の役割について、チャベス自身の知識的発展について語っている。

 

【変革のプロセスにおいて、左翼知識人の役割とは何でしょうか?沢山の例外がありますが、彼らは運動の無批判な付属物の一種になる傾向がよくあります。】

 

 知識人の役割はいつも同じだ。現実を説明すること、行動方針を提案すること、必要があれば正しくない、あるいは逆効果の政策を批判することだ。

 歴史的に、フランス・ソビエト・中国・キューバ革命などのすべての偉大な革命の根拠は知的アバンギャルドによって準備されてきた。(私はその知識人の中に芸術家と文化生産者を含めている)彼らの機能は、革命的倫理を表現し、与える偉大な芸術的な事業を作り出すことである。

 実際、ベネズエラには、社会的ダイナミズムを考え、解釈し、必要とあれば実証された筋の通った批判を行う価値のある作品を作成する、非常に批判的な左翼知識人がいる。例えば私の場合、公権力が憲法的原則と社会主義に反する行動をとったと考えられる裁判を無効にするように最高裁判所に控訴することもやった。

Fidel Castro surrounded by intellectuals. 1961. (Archives)

知識人に取り囲まれるフィデル・カストロ。1961年。|写真:(Archives)

 

【60年代の初頭にフィデルは次のように語っています。「革命の内部にすべてがあり、革命の外には何もない。」約50年後、あなたはこのスローガンをどのように理解しますか?】

 

 あらゆる偉大なスローガンの場合のように、慎重に検討する必要がある。「革命の内部にすべてがある」と言うことによって、共有されていなくても敵の主張を知る必要があること、また不条理を書いた抽象的な絵画や小説のような革命的内容を持たないものであっても、一定の美術的作品は受け入れられるということをフィデルは意味した。「革命の外には何もない」と続くと、その時には「外」とは何かを定義する必要がある。例えば、20世紀の絵画・建築物・家具や一般的な美術の基礎をなしたソビエト構造主義の作品は多くのソビエトの官僚によって疑いの目で見られた。もう一つの極端な例では、非常のできの悪い美術作品がある。それはどれほど大声で「革命的だ」と主張しても、逆のことが言える。多分、「革命に反対する。無だ。」という方がいいかもしれない。

 

【チャベスは並外れた指導者であり、教育者です。しかし、チャベスが知識人だと言われることはあまりありません。この問題についてあなたはどのように考えますか?】

 

 彼は並外れた指導者であり、同じ理由で比類のない教育者だった。彼は知識人として、現実を正しく読み、その解釈によって首尾一貫した行動をするための提案を発展させた。チャベスはまさにそのようにして政治的形成を始めた。すなわち、読書と思考。陸軍士官学校でヤシント・ペレスが彼を指導した。彼の兄弟アダン(チャベス)とイネス・マルクスマンが彼に革命的書物へ接近させた。

 実際、左翼の逃亡者が捨てた車のトランクの中で発見した書物や冊子をどんなに貪り読んだかを彼はよく語っている。すでに権力に就いていた時も、時間がないにもかかわらず、チャベスは異常なほどに読書していた。『こんにちは、大統領』の毎回の番組で、最近読んだ積み上げられた書物の解説をしていた。彼の個人的な蔵書には数千冊の書物があり、そのほとんどすべてに、下線・印や注釈がつけられていた。ほとんどの場合、彼の演説にはまじめな知的作品としてそれらを評価する首尾一貫性があった。実際、蓄積やまとめのプロセスがまだ進行中である非常に多くの書物を彼は提供したのである。

 さらに、チャベスは左翼知識人や芸術家に深い賞賛を感じていた。(そして表明した)彼がアリ・プリメラ、アキレス・ナソア、そしてエクアドル・ガレアノをどれほど賞賛していたかを考えてみてください!チャベスが歌ったり描いたりしたこと、軍人のキャリア中に愛国的性格の劇風の作品を即興で演じたことを忘れないでください。明らかにこれすべてが彼を知識人にしたのだ。

Chavez reading Noam Chomsky at the UN. 2006. (Archives)

国連でノーム・チョムスキーを読み上げるチャベス。2006年。|写真:(Archives)

 

【ボリバル革命の普遍的な教訓とは何ですか?左翼知識人にとって、成功と失敗の両方について。知識人と運動あるいはプロセス間の関係が他所よりも豊かだった時はありましたか?】

 

 最初の最も明白な教訓は、すべての成功した革命プロセスは一貫した知的なプロジェクトに基づいているということだ。私は以前にボリバルのプラットフォームは60年代、70年代、80年代の左翼の反乱の一部であると指摘した。そこにはあらゆるものが見出せる。社会主義、反帝国主義、大陸統一の探求、依存理論、天然資源の社会管理、参加型民主主義、知識人の関与や市民・軍の一体化。この数十年の間に、二つの大きな左翼の軍事的反乱があったことを覚えておかなければならない。ポルテニャソとカルパナソだ。(両方とも1962年)多くの軍人が革命に関与し、彼らのキャリアと命を犠牲にした。それゆえ、ベネズエラが提供する2番目の教訓は、軍事部門に対する左派の偏見を批判的に見直していることである。

 ベネズエラでは軍人のキャリアはあらゆる社会部門に開かれている。それは、進歩的なプロジェクトに対して他国よりも遙かに浸透している階級意識の高い将校がいるからである。3番目の教訓は、進歩主義は困難な時代にあっても大きな大衆の支持を引き出すことができるし、引き出すべきだと言うことである。時には、弾圧によって孤立した左翼は大衆的なコンセンサス以外の手段で権力が獲得できると考えるようになった。ボリバル主義はコンセンサスが権力の基礎となり得ることを示した。最後に、4番目の教訓はベネズエラが20年にわたって地球上最強の帝国主義の抵抗することが可能であることを実証したことだ。それが教えることは無視できるものではない!

Hugo Chavez and Luis Britto Garcia. (Ministerio del Poder Popular para la Cultura)

ウーゴ・チャベスとルイス・ブリット・ガルシア。|写真:文化のための人民権力省)

原文URL:

https://venezuelanalysis.com/analysis/14818

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趣旨

今、ラテンアメリカでキューバを先頭とする社会主義、ないし社会主義を志向する大衆闘争が注目です。特に、昨年末(2015年)アルゼンチン、ベネズエラで右翼が勝利し、米国に支援された反動右翼と進歩的な人民大衆との熾烈な階級闘争が繰り広げられています。日本のマスコミは歪められたものしか報道していません。 だからこそ今、目の前で闘われている大衆闘争について現地の報道機関やブログで報道されているものを日本語にして日本の労働者に紹介していくことは、国際連帯としても日本での民主主義を闘いとる闘争にとっても有意義なことであるように思います。

おことわり

このブログでは英文記事を翻訳してご紹介しておりますが、筆者はかなずしも英語に堪能であるわけではありません。 従って、多々誤訳等があるかと思いますが、ご容赦願います。

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