ベネズエラ:米国の封鎖と闘う「人民から人民へ」の取組

  • 2019.11.01 Friday
  • 05:09

今年8月にこのブログで食糧主権の闘いとして米国からの支援活動を紹介しましたが、支援されたベネズエラ側のネットワーク組織者のインタビュー記事です。


ベネズエラ:経済戦争と闘う「人民から人民へ」

Venezuela: Fighting the Economic War ‘People to People’

2019年10月29日 venezuelanalysis(By FRFI – Revolutionary Communist Group)発

 

「人民から人民へ」ネットワークのエコノミスト、パブロ・ヒメネスとのインタビュー。

Pablo Jimenez (Revolutionary Communist Group)

パブロ・ヒメネス(革命的コミュニスト)

 

 米国の制裁がベネズエラを絞め殺そうとし、1300憶ドルを犠牲とし、食料品と医薬品の輸入をブロックし、少なくとも40,000人の死亡の原因となっている時が、人民権力のイニシアティブが反撃し、厳しい封鎖と経済危機によって負わされた商品不足とインフレにとって代わるものを構築しようとしている。そのような構想の一つが人民から人民へ(Pueblo a Pueblo)であり、農村の生産者と都市のコミュニティを結び付け、生産、物流、消費を合流させている。これによって、大量に購入し、高価格で販売する投機家を排除し、コロンビアで販売するために国境を越えて流用する密輸業者を弱体化させることができ、石油生産国家の経済を歪めがちな輸入依存に立ち向かうことが可能となる。単なるファーマーズ・マーケットではない。プエブロ・ア・プエブロ(人民から人民へ)は、集会を通して価格や計画を設定し、都市の労働者階級の居住区に民主的な分配をするためにコミューンや協同組合を組織化する。コミュニティの食事が提供されるイベント会場へ食料品は直接持ち込まれ、市場よりも70%安い価格で購入する参加者のために集団が生産物を袋詰めする。資本主義の論理に挑戦し、米国の制裁と闘っているのは、しばしば婦人たちが主導するこのような取り組みである。それはまさしくこの草の根の抵抗であり、この実践的な参加型民主主義であり、それは資本主義メディアでは隠蔽され、検閲されている。

 人種差別と闘え!帝国主義と闘え!とプエブロ・ア・プエブロの協力者でベネズエラのカラカスにあるボリバル大学の政治経済学の教授であるパブロ・ゴメスがインテビューに答えた。

 

FRFI:プエブロ・ア・プエブロの活動はどのようなものですか?あなたが地域や全国でどのように運営されているかいくつか例を挙げていただけますか?

 

パブロ・ヒメネス:プエブロ・ア・プエブロは、食料品の生産、物流と消費のために大衆的な企画である。それは中小の農業生産者をまとめ、2重の参加という方法を利用して都市の住民と彼らを直接つないでいる。そこでは透明な方法で生産者と消費者が協力して価格を設定している。これは流通と商業化および農産物の供給チェーンで起きる諸問題を解決しようとしており、投機家を排除し、価格決定に影響を与えている。その週の生産コストを集会で討議し、それから生産物は集荷場へ移され、そこから消費者のためにイベントが組織されたカラカスや全国の都市へ出荷される。我々は次のようなスローガンの下で活動している。「食料品は売買品ではなく、人権である。」この交換制度では誰も補助金を払わないし、だまさない。参加、原価構造と透明な価格(すべての当事者が知っており、合意している)によって、基本的な需要を満たす食料を生産するだけでなく、この構想への活動や貢献に応じてすべての人が公平な報酬を受けることができるようになっている。

 トルヒージョ州のカラチェ市の100ヘクタールから、毎週140の家族が都市の2,500家族へ供給するためにこの土地で働く。平均一人当たり3kgの生産物を受け取る。

 この国の様々な地域からこの構想に組み込まれている品目もある。例えば、メリダ州の離れた山間の町ムクチエスでは、パラモ統合生産者(プロンピア)協同組合と共同して周辺の地域で栽培するための在来種のジャガイモの種子を生産している。彼らは、「ジャガイモは命のためであって、資本のためではない」と我々が名付けた計画を通じてプエブロ・ア・プエブロと協力している。(以前には作物を非常に安く購入し、高く販売する仲介業者に頼らざるを得なかった)種から消費への生産サイクルの集団的管理は重要な結果をもたらせた。「命のためのジャガイモ」計画はマクチエスの経済活動を活性化し、メリダ州にあるジャガイモ貯蔵庫とシーサル・フィビロベンサ袋詰め工場を経営している社会所有企業を再活性化した。

 10月5日には、2015年以来となる食料生産2,500トンという節目を越えて、食料の生産と流通連続201日を達成した。最近、プエブロ・ア・プエブロは米国の食糧主権同盟の賞を獲得した。これは、ベネズエラの生産者に種子を収集し、輸送する国際部隊の編成を強化することに貢献し、我々の原則に従って人民間の共同ネットワークを発展させる機会であると考えている。USFSAは草の根組織のネットワークであり、より民主的な食料システムのために活動しているプロジェクトを表彰するために毎年食料主権賞を授与している。この賞は「グリーン革命の父」ノーマン・ボーローグが設立した世界食料賞(その活動は大規模農業ビジネス依存を押し進めながら、食料主権を弱体化させるために利用されて来た)に反対するために開発された。USFSAは、「資本主義と帝国主義に立ち向かう人民権力の構築、社会主義経済へ移行させる取り組み、種子の多様性の回復、食料流通の組織化、指導部における女性の地位の強化」を指向する我々の活動が特に評価された。これは我々にとって大きな成果である。

 

FRFI:米国の封鎖と帝国主義者の攻撃の影響はどんなものですか?ベネズエラの現実について、商品不足がどのようにコミュニティに影響を与えているか、どのようにして人民が生き延びているか?どのように抵抗に貢献する活動をしているのか話していただけますか?

 

PG:制裁は全般的にこの国に重大な影響を与えている。特に家計と、とりわけ家族経営の農場に。生産者にとっての主要な問題は種子と肥料などの入手である。しかし、この計画に参加したすべての人に種子の入手を保証しているプエブロ・ア・プエブロのようなプラットフォームのおかげで、人民は生産を増大させ、収入が保証されることによって生き延びている。輸送の問題もある。輸送ではメンテナンス費用の増加、スペアパーツの不足や輸送費の増加の影響に苦しめられてきた。それにもかかわらず、プエブロ・ア・プエブロはこれらの困難を乗り越えるためにずっと骨を折り、毎日生産物を輸送するロジステクスを保証するために大きな努力を払ってきた。消費者の購買力が大幅に低下しているため、すべての商品が購入されるわけではない。このことは我々の流通が新しく組織されたコミュニティへ、新しく組織された消費者イベントへと拡大されなければならないことを示しており、食品流通の他の方法を探している。そんなわけで、我々は制裁の影響を緩和する計画的な生産と流通の問題に対峙しており、ベネズエラが直面している多元的な戦争に立ち向かっているのである。

 プエブロ・ア・プエブロは多分、全国レベルでの自主管理された社会的生産統合の最大級の実験である。我々は生産し、抵抗する。ボリバル革命と21世紀の社会主義プロジェクトの原則を一貫して維持しながら、大衆への権限移譲を発展させ、下からの代替の経済の建設に貢献している。我々のものは、単に市場よりも安い価格で食品を販売するための計画でもなく、食料配給の形態でもない。そうではなく、我々は関連する新しい方法を開発している。すなわち、自主管理の社会主義、必要に応じて決められた計画にそって、食料を生産し、仲介者なしでそれを共同で分配することである。これは、資本主義的生産関係に対立する直接的に組織された人民の経済計画を提起している。

 我々のネットワークは食料生産の確立されたパラダイムに挑戦しているだけでなく、特に労働者階級に影響を与えている厳しい経済戦争の中での解決策を提供している。トランプ政権によって促進された経済危機、制裁、金融と商業的封鎖は、あらゆる(資本主義的)合理性の外部でプエブロ・ア・プエブロ構想を真に英雄的な活動にしている。危機が、人民が同様の危機を乗り越える条件を見つけさせる機会となっていると彼らは言う。我が人民は闘いの中で諦めたり、揺れ動いたりはしない。反対に、我々は克服するために新しい条件を作り出す。ボリバル革命が始まって以来の我が反逆者の叫びは今日も真実である。すなわち、「人民だけが人民を救う。」

 

FRFI:イギリス帝国主義に住む連帯活動家は、人民から人民へのネットワークや全般的にベネズエラにおける闘争をどのような形で支援するのが一番良いでしょうか?

 

PG:我々は「人民から人民へ」に関係する国際ネットワークを作らなければならないと考えている。最初の一歩は、封鎖や制裁を迂回してベネズエラへ種子を持ち込む国際的な種子部隊かもしれない。もう一つの重要な問題は、メディアの封鎖を破って、ベネズエラで起きていることの真実を伝え続けることであり、また、どうすればベネズエラの経験が他国での闘いを強化することができるかを考えることである。

プエブロ・ア・プエブロの幾つかの活動は下記を参照してください。

https://venezuelanalysis.com/analysis/13862.

コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>

趣旨

今、ラテンアメリカでキューバを先頭とする社会主義、ないし社会主義を志向する大衆闘争が注目です。特に、昨年末(2015年)アルゼンチン、ベネズエラで右翼が勝利し、米国に支援された反動右翼と進歩的な人民大衆との熾烈な階級闘争が繰り広げられています。日本のマスコミは歪められたものしか報道していません。 だからこそ今、目の前で闘われている大衆闘争について現地の報道機関やブログで報道されているものを日本語にして日本の労働者に紹介していくことは、国際連帯としても日本での民主主義を闘いとる闘争にとっても有意義なことであるように思います。

おことわり

このブログでは英文記事を翻訳してご紹介しておりますが、筆者はかなずしも英語に堪能であるわけではありません。 従って、多々誤訳等があるかと思いますが、ご容赦願います。

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM