エクアドル・アマゾンの深刻な環境破壊をシェブロンは放置している
- 2016.08.13 Saturday
- 05:44
アマゾンを汚染したシェブロンに対する抗議として、一人のエクアドルのデモ参加者は石油まみれの手をかざした。|写真:Reuters
この判決は、エクアドルの原告が合衆国で損害賠償の90億ドルを受け取ることはできないが、エクアドルの裁判所の判決の支持を得るために、他国の裁判所へ請願することができる、ということを意味する。
合衆国の連邦高等裁判所は、月曜日、20年以上前に遡る裁判でシェブロンに有利な判決を下し、エクアドルの先住民のコミュニティの一つが、アマゾンの熱帯雨林の環境破壊に対する約86億ドルの賠償判決を受け取る事を妨害した。
マンハッタンにある合衆国の2つ目の巡回控訴裁判所のこの決定は、エクアドルのラゴ・アグリオ地域の代理弁護士であるスティーブン・ドンジンガ弁護士の主張を却下した。その地域はシェブロンがアマゾンで掘削した汚い遺産によって深刻な影響を受けている。ドンジンガは、合衆国の裁判所に、1964年から1992年にかけてテキサコがこの地域の掘削によってアマゾンの水と土壌汚染を引き起こしたことに対する損害賠償約90億ドルを、原告に支払うように命じたエクアドルの裁判所の判決を執行するように要求していた。シェブロンは2001年にテキサコを取得している。
しかし、それどころか、合衆国の裁判所は、ドンジンガが偽の証拠を提出したり、裁判官を強制したり、専門家の証言者に賄賂を贈ったり、専門家の報告を書いてもらうためにコロラドのコンサルタント会社に金を支払ったりすることによって、エクアドルの裁判を腐敗させた、そして、その後の合衆国の裁判所に判断を誤らせようとしたと結論付けた下級裁判所の決定を放置した。
ドンジガーは、その主張を否定している。
シェブロンはもはやエクアドルには資産を持っていないので、原告が損害賠償を徴収するには合衆国に要求するしかなくなっている。月曜日の判決は、合衆国にある多国籍企業に対してだけ適用され、シェブロンがたくさんの持ち株会社を持っている国々、カナダ、アルゼンチンやブラジルといった国々では判決に基づいて徴収しようとする原告の訴訟活動には適用されない。
エクアドルのアマゾンにあるラゴ・アグリオの油田の豊富な地域に、シェブロンによって残された、数十億ガロンの有毒な廃棄物(世界で最も大きな環境破壊の被害の一つ)は、ほとんどが先住民である3万人の人々に影響を残した。エクアドルの最高裁判所は、シェブロンに対して、損害賠償と原状回復費用として、2013年に95億USドルの支払いを命じたが、石油の巨人シェブロンは、応じることを拒否し、長い裁判闘争に引きずり込んでいった。
活動家たちは、合衆国の地方裁判所裁判官ルイス・カプランが、95億USドルの損害賠償金は、詐欺によって得られたもので贈収賄が絡んでいると主張した2014年3月の決定は偏向したものだと非難している。
最近のteleSURのアビー・マーチンのインタビューで、エクアドル大統領ラファエル・コレアは、シェブロンを、アマゾン石油の掘削汚染の裁判で長い時間をかけて膨大な資源を使い、組織的に判決を遅らせてきた「腐敗した会社」だと述べている。「この人たちは、自分たちが国家の上におり、司法の上にいるのだと思っている。」とコレアはシェブロンについて語っている。「彼らは、一連の法的な事件をデッチあげ、わが政府に対して卑劣なPR活動を開始した。」
「北アメリカのどんな監察官であれ、誰であれ、エクアドルのアマゾンに来て、20年以上前にテキサコによって残された石油の泥沼に自分の手を浸してみればいい。自分の手が石油まみれになる。」とコレアは続けた。(N)
原文URL: